米Novellは米国時間5月8日に,ディレクトリ・ソフトウエア「Novell eDirectory」を無償提供すると発表した。ラスベガスで開催中のネットワーク関連の総合展示会「NetWorld+Interop 2001」で明らかにしたもの。

 ディレクトリ・サービスを利用するアプリケーションを手がける開発者やOEM,ISV(Independent Software Vendors)に向けるもので,これら企業はeDirectoryの無償再配布が可能となる。これにより「ネットにおけるディレクトリ・サービスの普及を促進する」(Novell社)。

 eDirectoryを開発者に無償提供することで,ディレクトリ・サービスを利用するeBusinessソリューションに開発にかかるコストが削減され,開発も容易になる。Novell社にとっては,ディレクトリ・サービスの普及が進むと同時に,同社の地位向上が図れるとしている。

 なおNovell社はすでに,OEMやISVなどのパートナー企業からの登録を受け付けている。このうち米Caldera SystemsがLinux向けシステム管理製品「Caldera Volution」にeDirectoryを取り入れるという。

 Novell社は今年6月29日までにOEMディストリビューション・キットを提供する計画を立てている。またすでに,ZENworks,iChain,DirXML,Single Sign-on,Portal Services,Novell OnDemand Servicesといった同社ネットワーク・サービス・ソフトの顧客にeDirectoryを無償提供している。

 Novell社によれば,eDirectoryの現在の利用者数は1億3900万人。これまでに1800以上のアプリケーションがeDirectoryをベースに構築されたという。「この数は他のディレクトリ・ソフトの2倍以上」(Novell社)。

 ネットワーク関連の総合展示会「NetWorld+Interop 2001」の速報記事は特番サイト(http://itpro.nikkeibp.co.jp/NI2001/)でお読みいただけます。

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