米3Comが米国時間5月7日に,約3000人の追加人員削減策を明らかにした。今後数四半期をかけて,総従業員数を現在の約1万人から7000人に削減する。

 ほぼすべての事業部門における常勤(フルタイム)とパートタイムの従業員が対象である。同社は2月にも1200人のレイオフを明らかにしていた。「人員整理が完了すれば,大幅な収益回復が見込める」(3Com社)としている。

 なお同社は今年3月21日に総額10億ドル規模のコスト削減計画を発表しており,4月23日にはパソコン向け接続機器事業およびネットワーキング事業を本体から分離する事業再編策を明らかにしている。

 3Com社によれば,消費者向けインターネット端末機器「Audrey」や「Kerbango」といった利益性の低い製品の廃止により,すでに大幅な経費削減を遂げているという。また同社は今後も,工場,資産や備品,製品設計におけるコスト削減策を積極的に検討するとしている。

 「今回の措置は我が社の利益回復のために必要なステップである。前期および当期の需要軟化により,これまで以上にコスト引き締めが重要になっている」(3Com社CEOのBruce Claflin氏)。

 なお4月23日の発表で3Com社は,本社の規模を縮小し,傘下に3部門を置く新体制とすることを明らかにしている。人事や財務,システム管理,法務などは3Com社の本体に集約する。

 3部門は,Ethernetなどパソコン向け接続機器事業部門の「3Com Business Connectivity Company」,ネットワーキング部門の「3Com Business Networking Company」,IPベースのデータ/音声通信技術や広帯域通信システムの「3Com CommWorks Corporation」である。

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