米国のコンピュータ・ゲーム・ソフトウエア協会であるInteractive Digital Software Associationが米国時間5月1日に,ゲーム産業が米国経済に与えるインパクトを「Economic Impacts of the Demand for Computer and Video Games」と題する報告書にまとめ,発表した。
調査は米Nathan AssociatesのRobert Damuth氏が実施した。
IDSAによれば,パソコン・ゲーム事業,ビデオ・ゲーム事業を合わせた米国のコンピュータ・ゲーム業界は2000年に22万人の雇用を創出し,賃金(税込み)総額は90億ドル近くにのぼったという。
また,パソコン/ビデオ・ゲームのソフトウエアおよびハードウエア販売がもたらした経済効果は105億ドル規模だった。特に家庭用ゲーム機の新製品投入がゲーム・ソフトの需要を押し上げたほか,新規ユーザーの取り込みなどゲーム・ユーザーのすそ野も拡大した。
「今後数年にわたって,コンピュータ・ゲーム業界が米国経済の牽引役になることは明らか。米国のハイテク部門におけるコンピュータ・ゲーム業界の重要性はますます高まっている」(IDSA,PresidentのDouglas Lowenstein氏)。
2000年におけるゲーム・ソフト市場の成長率は売上高ベースで14.9%。「米国の経済成長率の2倍以上で,他の産業の成長率も大きく上回っている」(IDSA)。
1995年から2000年における伸び率をみると,コンピュータ・ゲーム業界では雇用が年平均10.1%増,賃金が同17.4%増で上昇した。米国のエンターテインメント業界の主役とされている映画業界は,制作,配信,関連サービスを合わせ,雇用が同5.2%,賃金が同9.2%だった。同様に,パソコン関連や民生機器,ストレージ関連などの産業と比べても,コンピュータ・ゲーム業界の成長率が上回っているという。
また雇用や賃金のほか,研究開発の面でも,ゲーム・ソフト業界は売上高の14%で,エンターテイメント産業における他の業界の9~12%を上回った。
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