米eMarketerが米国時間5月2日に,「経済は減速しているものの,世界のオンライン広告市場は今後数年間にわたって大きく拡大する。2002年には103億ドル,2005年には230億ドル規模へと成長する」との予測を発表した。

 eMarketer社によれば,2000年の市場は71億ドル規模だった。2001年は76億ドル規模になると予測している。成長率は7%。

 「7%の一ケタ成長とはいえ,既存のメディアでの広告市場についてアナリストらが発表している成長率は,ゼロ成長や1.4%,高いものでも2.5%程度にとどまっている」(eMarketer社のシニア・アナリスト,Jonathan Jackson氏)

 「オンライン広告は健在だ。一部の投資銀行などで悲観論を展開するアナリストらが『2001年のオンライン広告市場はマイナス成長』などと発表しているが,そんなことはない。ターゲットを絞れること,費用対効果が計測可能であることなどから,オンライン広告は今後も持続的に大きく成長していく」(Jackson氏)。

 eMarketer社はオンライン広告市場の成長要因として以下の3点を挙げている。

1. オンライン広告はターゲットを絞ったコミュニケーション/PR手段として最も効果的な媒体である。

2. 広帯域接続が普及することで,技術的にもさらに豊富なコンテンツのオンライン広告が展開できる。

3. 消費者はバナー広告や電子メールの広告を介して,(商品/サービスのPRだけではなく)実際に買い物を済ますことができる。

 その他の調査結果は以下の通り。
・ネット・ユーザーが1日に目にするオンライン広告の量は平均610本。
・WWWのオンライン広告スペース全体のうち74%が広告主を獲得できていない。
・バナー広告全体のうち99.7%はクリックされない。
・オンライン広告全体の90%近くが直接反応広告(ダイレクト・レスポンス・オリエンテッド)である。
・消費者が利用するメディア全体に占めるインターネット関連の割合は10%。

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