電子透かし技術を手掛ける米Digimarcが,米国特許庁から特許の有効性を確認する通知を受けたことを,米国時間5月2日に明らかにした。著作権管理技術ベンダーの米Verance を特許侵害で提訴している訴訟に関連し,特許庁が再審査していたもの。

 Digimarc社は電子透かしをオーディオや画像コンテンツに刷り込む技術に関し,Verance社がこれを侵害しているとして2000年3月および10月に同社を提訴していた。

 電子透かしはデジタル・オーディオ・コンテンツやDVDビデオの違法複製を防止するために用いられるセキュリティ技術である。Digimarc社が主張している特許は,特許番号USP5,636,292,USP5,850,481,USP5,832,119,USP6,122,392の4件で,今回このうちUSP5,636,292とUSP5,850,481の2件について有効性が認められた。4件合わせ94のクレームから成る。確認された2件に74件が含まれる。

 Digimarc社が問題としているのは以下の4件の特許である。

■5,636,292
タイトル:「Steganography methods employing embedded calibration data」
申請:1995年5月8日
成立:1997年6月3日

■5,850,481
タイトル:「Steganographic system」
申請:1995年5月8日
成立:1998年12月15日

■5,832,119
タイトル:「Methods for controlling systems using control signals embedded in empirical data」
申請:1995年9月25日
成立:1998年11月3日

■6,122,392
タイトル:「Signal processing to hide plural-bit information in image, video, and audio data」
申請:1997年11月12日
成立:2000年9月19日

 「残りの2件についても今後数カ月以内に再審査の結果が出る予定。再審査の証書が2001年中に発行されるものとみており,これでVerance社に対する訴訟をただちに終結へ向かわせることができる」(Digimarc社)。

 なお5月2日の時点で,Verance社からのコメントはWWWサイトにアップされていない。

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