ドイツのInfineon Technologiesがドイツ時間4月30日に,光ネットワーク向けICベンダーの米Catamaran Communicationsを買収することで両社が最終的な合意に達したことを明らかにした。買収金額は2億5000万ドル。株式交換で支払う。

 Catamaran社は1999年11月設立。シリコンバレーに拠点を置くベンチャー企業。従業員は50人強。OC-768(40Gビット/秒)やOC-192(10Gビット/秒)の超高速光伝送技術SDH/SONET(synchronous digital hierarchy/synchronous optical networking)をはじめ,ATM(asynchronous transfer mode)やTDM(time division multiplexing),Packet over SONET(PoS),Ethernet,VLSIなどの技術を手掛ける。

 「Cataraman社を買収することで,次世代光ネットワーク・システムのトータル・ソリューションを提供できる」(Infineon社)。Infineon社はCatamaran社を傘下の子会社とする。

 「当社の光ファイバ,高速通信ソリューションとCatamaran社のSDH/SONET技術,10GビットのEthernet技術を組み合わせ,大きなシナジー効果を生み出す。40Gビット/秒の高速ネットワーク・カード製品の投入で先行し,市場で優位に立つ」(Infineon社社長兼CEOのUlrich Schumacher氏)。

 調査会社米Cahners In-Statは2000年10月に,「SDHおよびSONET市場が急拡大し,2004年には前者は312億6000万ドル,後者は118億9000万ドル規模に達する。とりわけ,45Mビット/秒の光伝送システム市場が2002年にかけて大きく成長する」との予測を発表している。

 またハイテク市場調査の米Dell'Oro Groupの調査では,「大都市DWDM,長距離DWDM,SONET/SDH多重化装置を含む世界の光ファイバ通信システム市場は,今後5年間で2倍強に拡大し,2005年には573億ドル規模に達する」という。

 なお最近では,米Intelが光ネットワーク機器向け半導体製品の開発を手がける米国企業3社を買収するを米国時間4月24日に明らかにしている

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