米Nielsen//NetRatingsと米Harris Interactiveが米国時間4月24日に,「米国のオンライン・ショッピングの利用者数が成人(18歳以上)人口の約半数にあたる1億20万人に達した」とする調査結果を発表した。
調査は両社が2001年3月に米国の3万9000人のネット・ユーザーを対象に実施,回答を得たもの。それによると,オンライン・ショッピングの利用は成人ネット・ユーザー全体の81.2%にのぼっているという。
「電子商取引の利用はすでに“主流”と呼べる規模に達している」(両社)。詳細は以下の通り。
■表1 米国・成人のオンライン・ショッピングの利用状況(2001年3月)
全体 | 成人人口全体に占める割合(%) | ネット・ユーザー全体に占める割合(%) | |
米国成人人口 | 2億780万人 | 100 | - |
オンライン・ショッピング利用者 | 1億20万人 | 48.2% | 81.2% |
出典: Nielsen//NetRatings社 & Harris Interactive eCommercePulse社
2001年3月におけるオンライン・ショッピングの利用額は35億ドル強だった。2000年4月時点の調査では26億ドルだったので,11カ月間の成長率は35.6%。カテゴリ別にみると,「アパレル関連」が成長率122.3%で売上高を3億6800万ドルへと大きく伸ばした。「旅行関連」も58.5%増と好調で,売上高は同10億ドル強に達した。
「米国経済の成長鈍化という厳しい市場環境にもかかわらず,オンライン・ショッピングの売上高は2001年2月から3月にかけて4%成長した」(Nielsen//NetRatings社副社長のSean Kaldor氏)。
オンライン・ショッピングの利用者数をショップ別にみると,米Amazon.comが利用者シェア15.1%を獲得して首位に立った。米eBayが同14.5%で2位につけ,Amazon.com社を追い上げている。3位は米BMG.comでシェアは4.3%。4位米Barnes & Noble(同3.8%),5位ColumbiaHouse.com(同3.7%)と書籍や音楽,映画関連が上位を占めた。
ただし「eBay社の利用者数に傘下のHalf.com社の分も加えると,Amazon.com社を抜いてトップに躍り出る」(Kaldor氏)。トップ10企業の詳細は以下の通り。
■表2 オンライン・ショッピング利用者数トップ10企業(2001年3月/単位:1000人)
順位 | オンライン・ショップ | ユニーク・オーディエンス数 | 利用者シェア(%) |
1. | Amazon.com | 22,751 | 15.1 |
2. | eBay | 18,987 | 14.5 |
3. | BMG.com | 4,762 | 4.3 |
4. | Barnes & Noble | 5,948 | 3.8 |
5. | ColumbiaHouse.com | 2,723 | 3.7 |
6. | Half.com | 4,939 | 3.1 |
7. | JCPenney.com | 3,339 | 3.0 |
8. | Travelocity.com | 7,966 | 2.5 |
9. | CDNow.com | 5,295 | 2.2 |
10. | Southwest.com | 3,954 | 2.0 |
注)eBay社の数値には,同社傘下のHalf.com社(6位)のトラフィックを含まない。
出典: Nielsen//NetRatings社,& Harris Interactive eCommercePulse社
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