米Oracleが,「Winning the War on Complexity」と呼ぶ,IT化を目指す企業などに向けたe-business戦略を提唱した。米国時間4月24日に同社本社で開催した記者説明会で明らかにしたもの。

 これは,機敏で,市場に敏感な電子企業(e-businesses)を実現するためのパラダイム(規範)と位置づける。このなかで同社は,「企業は主要事業に注力せよ」などと提案している。「扱いにくく,時間のかかるIT化に企業の重要な資源を分散させてはならない」(Oracle社)。

 この枠組みのもと,業務の簡素化/近代化を実現するための秘訣として同社は,次の三つの提案を行っている。

 1)データの包括的な統合,2)主要事業の機能の自動化と統合,3)プロセスの変更(ソフトウエアの変更ではない)。これは言い換えれば,業務の集中化,変換,簡素化を図ることだという。

 これについてOracle社は以下のように説明している。

・週7日,24時間稼働する世界市場において競争力をもつためには,インターネットを使ってすべての情報を一つの包括的データ資源にまとめ,世界中のどこからでも標準的なWWWブラウザーを使ってこれらにアクセスできるようにする必要がある。インターネットを業務のあらゆる側面に導入し,電子企業への変換を図るべき。

・標準的な統合ソフトウエアによって,カスタム化や統合,アップグレードにかかるコストを削減できる。米Meta Groupの調査結果によれば,多くの企業がIT予算の1/4を業務システムの統合に費やしている。また本格的なエンタープライズ・ソフトウエアの運用に2年間を費やしている。これらソフトウエアはアップグレードのたびにシステムの再構成/統合が必要になる。

・"Winning the war on complexity"は,過去を再構築するという誘惑から逃れること。インターネットを導入することは,現状に執着するよりも,より簡素で効率が良く経済的。

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