独SAPが現地時間4月19日に,2001年第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比29%増の15億ユーロ。純利益は前年同期比109%増の1億1700万ユーロ。1株当たり利益は前年同期の0.18ユーロから0.36ユーロに上昇した。

 EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は前年同期比518%増の2億5900万ユーロ。税引き前利益は,従業員へのSTAR and LTIプログラムを除いた場合,前年同期比82%増の2億3300万ユーロ。利益率は前年同期の11%から約15%に上昇した。

 「電子商取引向けに注力した戦略が奏功し,好決算となった」(SAP社の共同会長兼CEO,Hasso Plattner氏)。

 売上高をカテゴリ別にみると,製品の販売収入が前年同期比27%増の9億4300万ユーロ,ソフトウエアのライセンス収入が同24%増の4億5800万ユーロ,コンサルティング・サービスが同38%増の4億5800万ユーロ,トレーニング・サービスが同15%増の1億900万ユーロ。

 製品別の売上高は,「mySAP CRM」関連が6700万ユーロ,「mySAP SCM」関連が1億300万ユーロだった。

 地域別にみても世界各地で売上高が大きく伸びた。欧州と中東,アフリカをあわせた地域(EMEA)は前年同期比31%増の7億9600万ユーロ,アジア太平洋地域が同28%増の1億7800万ユーロ。南北アメリカ地域も同26%増と好調で5億5000万ユーロとなった。ただし,ドル高/ユーロ安の為替の変動を含まない場合の南北アメリカ地域の成長率は20%。

 なお,2001年3月31日時点のSAP社の従業員数(パートタイム除く)は2万5218人で,前年同日時点と比べ14%増えた。2000年12月31日から3月31日までの間にも1000人以上増えているという。

 SAP社は今後の業績見通しについて,「厳しい経営環境ながらも,当社は第3四半期(7~9月期)まで好調な業績を維持できる」としている。同社によれば,売上高は9月末まで23%強の成長率で拡大,同期間における税引き前利益率(従業員へのSTAR and LTIプログラムを除いた場合)は14%強を見込んでいる。

◎関連記事
<事業関連>
【プチ・記者の眼】狙いはプロセス型製造業市場,Oracleの対SAP戦略の切り札となるか
NTTドコモと独SAPがモバイルで提携
SAPが「mySAP.com」の業界別ソリューションにおける強化内容を発表
独SAPと米Yahoo!が企業情報ポータル向けソリューションで提携
独SAPが企業ポータル・ソフト会社の米TopTier Softwareを4億ドルで買収
独SAPが開発組織を全世界規模で大幅再編成

<決算>
独SAPが2000年の年次報告書をWWWで公開,2001年の新戦略など
独SAPの2000年Q4決算は31%増収,16%増益,mySAP.comが好調で412%成長
独SAPがQ4決算を上方修正,27%増収に

[発表資料へ]