米Advanced Micro Devices(AMD)が米国時間4月18日に,2001年第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比9%増,前期比1%増の11億8874万7000ドル。前年同期は10億9202万9000ドルだった。
純利益は1億2483万7000ドルで前年同期の1億8934万9000ドルと比べ,34%減益となった。1株当たりの利益は0.37ドル。前年同期は0.55ドルだった。減益ながら,売上高,利益ともアナリストの予想である11億ドル,0.33ドルを上回った。
同四半期のパソコン向けマイクロプロセサの出荷個数は730万個。このうち,AthlonとDuronが合わせて650万個。パソコン向けマイクロプロセサの売上高は6億6100万ドルで,前年同期比,前期比ともに17%増となった。出荷個数でみると,前期比27%増,前年同期比126%増。「需要は依然として大きく,1GHz動作以上のAthlonプロセサの出荷個数は200万個を突破した」(AMD社)。
「経営環境が悪化しているなかで,非常に好調な決算であると受け止めている。当期は1.3GHz版,1.33GHz版のデスクトップ向けAthlonプロセサの投入により業績を押し上げた。AthlonのコアやPowerNow!技術を用いたモバイル・パソコン向けプロセサ『Palomino』(開発コード名)の量産出荷も始めている。また4月の初めには,900MHz版のDuronプロセサも出荷を始めた。PowerNow!技術をはじめ,当社が保有する製造プロセス技術での米国特許件数は米IBMと並び2位」(AMD社会長兼CEOのW.J.Sanders氏)。
フラッシュ・メモリ製品の売上高は4億1100万ドル。需要の落ち込みが激しく,前期比は10%減。前年同期と比べると26%増。
AMD社は今後の業績見通しとして,第2四半期の売上高は前期比10%減と落ち込む見込みであることも明らかにした。2001年通年の1株当たり利益は1ドル50セント程度を予想している。またパソコン市場の2001年通年の成長率は,出荷台数ベースで1ケタ台後半を予測している。
なお,ライバルの米Intelも4月17日に(米国時間)に決算発表を行っている。Intel社の業績は前年同期比で純利益が実質64%減,売上高も16%減と落ち込むなど大幅な減収減益となっている。
Q1'01 | Q4'00 | Q1'00 | ||||
売り上げ比率 (%) |
売上高 | 売り上げ比率 (%) |
売上高 | 売り上げ比率 (%) |
売上高 | |
x86プロセサ | 55 | $661M | 48 | $566M | 52 | $563M |
メモリー(フラッシュ) | 35 | 411M | 39 | 458M | 30 | 327M |
その他のIC | 6 | 75M | 8 | 98M | 11 | 122M |
音声コミュニケーション | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 60M |
ファウンドリ・サーービス | 4 | 42M | 5 | 53M | 2 | 20M |
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