「2001年第1四半期はレイオフの嵐が吹き荒れ,雇用以外の経済指標もぱっとしない。こうした環境のなか通信関連のITプロフェッショナルは,転職に際して“安定収入”を最重要視するようになった」。通信関連分野の転職サイトを運営する米TelecomCareers.Netが米国時間4月11日に,調査結果を発表した。

 調査は通信関連のプロフェッショナル2100人を対象に実施,回答を得たもの。TelecomCareers.Net社によれば,最近の求職者はストック・オプションにつられることはなく,「株式はあくまでも長期的に保有する資産」として考えているという。

 転職先として,「新興ベンチャーを考えている」という人は依然として多く,全体の86%にのぼった。しかし,「次の仕事には安定性と高給を求める」と回答した人も全体の70%を占めた。「ストック・オプションを重視」とした人はわずか3%にとどまった。

 また「トレーニングや学習の機会が与えられることが非常に重要」とした人も70%強にのぼった。「通信関連のプロフェッショナルは,長期的な目標を掲げ,転職活動に臨んでいるようだ」(TelecomCareers.Net社)。

 TelecomCareers.Net社によるその他の調査結果は以下の通り。

・「転職に関する主な情報源はインターネット」とした人は56%。
・「現在の職は安泰だと思う」と回答した人は55%。
・「今度の仕事は通信関連以外の分野に移りたい」と考えている人は47%。

TelecomCareers.Net社は,WWWサイトで調査結果の詳細を公開している。

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