「世界のハンドヘルド・コンピュータおよびモバイル端末市場は今後も大きく成長する」。ハイテク情報サービスの米MindBranchが米国時間4月6日に,調査会社の英ARC Groupが「Wireless Connectivity for Mobile Computing」と題してまとめた報告書をもとに市場予測を発表した。

 2001年の出荷台数はノート・パソコンが2940万台,携帯情報端末(PDA)が約1300万台,ハンドヘルドPCが700万台,タブレットPCSが250万台の規模となる。ARC社の報告によれば,ハンドヘルド・コンピュータ市場は新製品の投入が相次ぐことから,今後5年間にわたって継続的な安定成長が期待できるという。成長市場をねらって新規参入する企業も増える。

 モバイル・コンピュータ市場全体でも急速な成長が期待できるとしている。特に,無線インターネット対応機器のカテゴリで成長が著しい。2006年までに,携帯電話機能を組み込んだソリューション市場の45%以上を占めるとARC社は予測している。特に,北米,欧州,日本の3地域ではモバイル端末の新製品が次々に投入されており,今後も急速な成長を遂げるとしている。

 MindBranch社は,「無線通信市場で成功するには,新たなバリュー・チェーンに焦点を当てた戦略を掲げるべき」と指摘する。同社が挙げる具体的な「戦略」は以下の通り。

・無線ネットワーク事業者と,サービス,アプリケーション,ハードウエア,ソフトウエアの各プロバイダ企業が連携し,エンド・ユーザーにパッケージ・ソリューションを提供する。

・ベンダー間での相互運用性を確保するために,標準仕様の開発を進める。

・OEMのパッケージ・ソリューションを使うことで,開発期間を短縮する。

・他社に先駆けて製品を投入することで,成長市場で優位な地位を確保する。ユーザーを早期に獲得し,将来的にも新製品/サービスの利用へとつなげていく。

◎関連記事
<携帯情報端末市場>
世界の携帯情報端末市場,2004年に6340万台/260億ドル規模に成長---。IDCの調査
2000年のモバイル機器市場は前年比36%増,無線データ通信により爆発的成長へ
モバイル端末の業務利用が加速
米国でもついに動き出すか,企業向け市場の開拓狙うPDA
2000年のPDA売上高は1999年の2倍以上に,NPDの調査
携帯情報端末の世界生産台数は2000年に1000万台突破

<無線データ通信関連>
「無線接続サービス市場は2007年に285億ドル超規模」---。Frost & Sullivanの調査
米国無線データ通信市場,あまりに少ない個人ユーザー,開拓の余地大
モバイルインターネット・ユーザー,2005年には8630万人に
「欧州企業の82%がモバイル利用を重視,ただし財布の紐は固い」とGartner
「次世代無線サービスのインフラ構築費用は2007年に1250億ドルを超える」,Strategisの調査
「2005年の世界ネット・ユーザー数は11億人超,62%が無線に」と米社の調査
無線ネット端末の出荷台数は2003年までに10億台,米Yankee Groupの調査
「モバイル・インターネットで最重要なのはコンテンツとサービス」,英社調査
2002年末までに無線インターネット・アクセスが有線を超える,IDCの調査 (

[発表資料へ]