米Microsoftが米国時間4月5日に,米SpeechWorks Internationalから音声認識技術のライセンス供与を受けることで,両社が契約を結んだことを明らかにした。

 Microsoft社がライセンス供与を受けたのは,SpeechWorks社のテキスト・ツー・スピーチ技術「Speechify」。テキストを音声で読み上げる機能を備え,電子メールやニュースなどテキスト・ベースの情報への電話を使ったアクセスを可能にする。

「消費者向けの“いつでも,どこでも,どの機器でも”戦略を強化する」(Microsoft社,.NET Services Group担当副社長のKai-Fu Lee氏)。

 SpeechWorks社は「Speechify」をMicrosoft社の音声API「SAPI(Speech Application Programming Inferface) 5.0」に対応させる。Microsoft社はSAPIベースのアプリケーション開発を手掛けるベンダーなどに,音声対応のテレフォニ・アプリケーションやサービスの開発を促す。

 米Cahners In-Stat Groupが4月2日(米国時間)に発表した市場予測によれば,音声認識ソフトウエア市場は2005年に27億ドル規模に拡大するという。「コンタクト・センターやCRMアプリケーションに向けた音声認識技術の利用が増える。ソフトウエア・プロバイダとアプリケーション・ソフトウエア・ベンダーはともに成長が期待できる」(In-Stat社Voice Applications Service部門上級アナリストのBrian Strachman氏)。

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