「米Napsterのサービスでダウンロード可能な楽曲のファイル数は減ったものの,サービスの利用は再び増えている」。デジタル・エンターテインメントの市場調査を手がける米Webnoizeが米国時間4月4日に,Napsterサービスの利用実態について調査・分析した結果を明らかにした。

 2000年3月の最終週における楽曲のダウンロード数は5億9300万件だった。これは前の週の4億7300万件に比べ25%増である。なおNapster社によれば同社が著作権侵害の楽曲をサービスから除外したことで,3月末時点で合計27万5000の楽曲が減っている。

 「ユーザはNapster社のフィルター措置に動じていない。数百万というユーザが継続してNapsterサービスを利用しており,膨大な量の無料音楽にアクセスしている」(Webnoize社アナリストのMatt Bailey氏)。

 なおNapster社サービスの利用数は盛り返しつつあるが,2000年3月の1カ月を通したダウンロード数は2月のそれを下回っている。同社の概算では3月中のダウンロード総数は24億9000万件で2月の27億9000万件から減少した。またユーザーあたりの平均ダウンロード数も大幅に減っており,3月1日時点の220曲が3月末日では73曲となっている。

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