米Booz-Allen & Hamiltonと米NetRatingsが米国時間4月2日に,WWWサイトの利用形態とオンライン・マーケティングの効果との関係について共同で調査した結果を「Seize the Occasion - Usage-based Segmentation for Internet Marketers」にまとめて発表した。2000年7月から12月までの半年間,約2500人のユーザーを対象にWWWサイトのクリック・ストリーム(ユーザーのクリック行動)データを集積し分析した結果である。

 1回の利用時間,1ページの閲覧時間,なじみのあるサイトかどうか,訪れたサイトのテーマは一貫しているかといったサイト利用の特徴を分析し,WWWサイトの利用形態を次の7つのタイプに分類した。すわなち(1)「Information, Please(調査)」,(2)「Loitering(時間つぶし)」,(3)「Surfing(ネットサーフィン)」,(4)「Quickies(短時間利用)」,(5)「Just the Facts(情報のみ)」,(6)「Single Mission(単一目的)」,(7)「Do It Again(再訪問)」である。

 「Information, Please」,「Loitering」,「Surfing」の3タイプのユーザーが,ショッピングをする傾向が高かった。これらのタイプでは利用時間が33分~77分と最も長く,1ページの閲覧時間は1分~2分だった。ユーザーは1ページに長く留まるため,多くのメッセージに触れる可能性が高くなる。

 7つのタイプの特徴は以下の通り。

・Quickies:1回の利用時間は1分と短めで,主に2カ所以下のなじみのあるサイトを訪れる。1ページの閲覧時間は約15秒。必要な情報だけ拾って接続を切るので,どんなメッセージも気づかない可能性がある。

・Just the Facts:既知のサイトから特定の情報を入手する。利用時間は9分とQuickiesよりは長いが,ページの閲覧時間は短い。このタイプのユーザーが商品を購入をする傾向は低い。

・Single Mission:所定の作業を終えるか,特定の情報を入手して接続を切る。10分の利用時間でなじみのないサイトを訪れて,必要な情報を探す。訪れるサイトのテーマは一貫している。目的に関連のあるメッセージしか受け入れないが,ターゲットをうまく設定したバナー広告ならよい反応を得られるかもしれない。

・Do It Again:利用時間は14分。ページ閲覧時間は2分と長く,七つのタイプのうちLoiteringと並んで最長。訪問時間の95%は過去に4回以上訪れたサイトで過ごす。気に入ったサイトに戦略的に配置されたバナー広告をクリックしたり,消費者に直接コンテンツを提供しているサイトのスポンサに反応する傾向は高い。

・Loitering:利用時間は33分,ページ閲覧時間は2分で,Do It Againタイプと似ている。ニュース,ゲーム,通信/ISP,エンターテインメントのサイトなど,なじみのある「いつもの」サイトに時間のあるときに訪れる。ブランド強化キャンペーンを実施中の企業がこのタイプに的を絞れば,消費者は1ページに長く留まっているのでブランド想起率を高めることができるだろう。

・Information, Please:利用時間は37分で,調査報告書など,特定のテーマの詳しい情報を入手するのに利用される。Single Missionsタイプと違う点は,さまざまなサイトから幅広い情報を入手すること。ユーザーはなじみのあるサイトを訪問する傾向が高いが,分野を超えて興味を引くページに留まる傾向があり,マーケッタにとっては異なるメッセージに触れさせるチャンスである。

・Surfing:利用時間は最長の70分で,なじみのあるサイトはほとんど訪れない。利用時間中に45サイト近くを訪れる。1ページ当たりの滞在時間は1分以上。訪れるサイトは広範囲にわたるが,詳しい情報は求めていない。コンテンツの豊富なサイトに留まる傾向があり,ユーザーを比較的長くメッセージに触れさせることができるので,マーケッタにとってはブランド認知度を高めるチャンスとなる。コンテンツのスポンサーシップも有効な手段で,ユーザーの好きなコンテンツと特定のブランド名の関連づけが可能になる。

 電子商取引の技術・市場・産業関連の詳しい情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「電子商取引(EC)」で詳しくお読みいただけます。

[発表資料へ]