ドメイン名やIPアドレスの管理を行っている非営利民間組織Internet Corporation for Assigned and Numbers(ICANN)の役員会が,米VeriSignと2001年3月1日に基本合意に達していたトップ・レベル・ドメイン(TLD)の登録/管理業務に関する契約内容修正案を承認した。ICANNが米国時間4月2日に明らかにしたもの。

 VeriSign社とICANNは3月1日に,現行の契約「Registry Agreement」を終了し,「.com」「.net」「.org」をそれぞれ個別にした3本の契約として結びなおすという修正案をまとめていた。

 この契約のもと,VeriSign社の「org.」の登録/管理業務を,2002年12月31日までで打ち切り,VeriSign社はその後の契約更新に関する一切の権利を放棄する。それ以降「.org」は非営利組織が管理する。

 「.net」については,2006年1月1日をもって契約期間満了とする。その後の契約獲得については,「.net」の登録/管理業務を行いたいとする他の企業とともに公正に競う。

 「.com」の契約期間は2007年11月10日までとする。その後,契約内容の条項に記す条件をVeriSign社が満たしていれば,4年間の契約更新が可能となる。

 なおこれらの契約内容は全般的に,ICANNがこれまで交渉を行ってきた他の事業者とのあいだで結んだ契約内容と合致するものという。これにより,VeriSign社1社だけに特別な権利を与えず,同社を他の事業者と同等の立場に置くとしている。

 なおVeriSign社とICANNが結ぶ契約には,VeriSign社が「.org」を管理する非営利組織に500万ドルを提供したり,WHOISの研究開発費として2億ドルの投資を行うことなども盛り込まれている。

 この修正案については今後米商務省による承認を待つ必要がある。なお同日VeriSign社はICANNのこの承認を歓迎する声明を発表した。

 なお現行の契約は,1999年10月に旧Network Solutions(NSI)がICANNおよび米商務省とのあいだで締結したもの。登録業務と管理業務は別会社とすることを条件に,同社の「.com」「.net」「.org」の登録業務権を2003年11月まで4年間延長することで合意していた。その後,VeriSign社が2000年3月にNSIを買収し,自社のGlobal Registry Services部門として引き続きドメイン名の登録事業を行っている。

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[www.icann.orgに掲載の発表資料]
[corporate.verisign.comに掲載の発表資料]