「電子調達アプリケーション市場は2000年に167%増と著しく伸びた。2004年には97億ドル規模へと大きく成長する」。米International Data Corporation(IDC)が米国時間3月28日に調査結果を発表した。1997年時点での市場規模は4700万ドルだった。

 IDCによれば,とりわけ高性能アプリケーションの需要が高く,戦略的ソーシング(部品外注や買い取り),サプライヤ管理,直接材の調達などミッション・クリティカルな機能を備える製品が大きく伸びるという。

 「コスト削減をはじめ,リアルタイムのデータ収集,ワークフローの向上,提携企業との関係強化などを目指す企業のあいだで需要が高い。企業はBtoB事業におけるスピードを追求するので,電子調達アプリケーションの需要は非常に大きくなる」(IDCリサーチ・マネージャーのAlbert Pang氏)。

 IDCによれば,電子調達向けアプリケーションを手掛けるベンダー企業は現在200社強という。今後も新規参入企業が続々と現れるとみられることから,市場における競争が激化する。一方で,マーケットプレイスへの企業の参加に鈍化がみられることや,企業間電子商取引が長期的に活況を呈することへの懐疑的な態度もあるなど,マイナス要因も見逃せないとIDCは指摘する。

 IDCは,市場で勝ち残るためのカギとして,1)需要の波に乗り,あらゆる規模の企業を取り込んでいくこと,2)革新的な製品を提供することで持続的成長への軌道をつくること,3)常に効果的なマーケティング戦略を打ち出していくこと,4)効果的なパートナーシップを構築することの4点を挙げている。

 「複雑な技術に対応し,簡易化したシステムを顧客に提供できるベンダーが勝つ」(Pang氏)。

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