米IBMは米国時間3月22日に,リレーショナル・データベース管理システム「DB2」にデータ・マイニング機能を組み込むと発表した。DB2の拡張機能として提供するもので「DB2 Intelligent Miner Scoring」と呼ぶ。

 「リアルタイムのデータ・マイニング機能を主要データベース製品に組み込むのはIBMが初めて。顧客やサプライヤ,従業員の主要な情報に用いることによって企業は迅速な意思決定が行えるようになる」(同社)。

 データ・マイニングとは,蓄積されたぼう大な量のデータから経営やマーケティングにとって必要な傾向動向や,相関関係,パターンなどを導き出すための技術や手法である。例えば,企業は特定の基準に従って顧客をランク付けし,どの顧客が「収益力あり」の定義に当てはまるかを容易に判断することができる。また,高級車を購入する可能性が最も高いと判断される顧客をリストアップすることも可能になる。

 IBM社によれば,DB2 Intelligent Miner ScoringがDB2に組み込まれることにより,DB2からデータ・マイニングの操作が直接行えるようになり,プロセスにかかる時間が短縮されるという。これにより大量のデータをもとにした意思決定が迅速に行なえる。またDB2 Intelligent Miner Scoringは,米Oracleのデータベースとも互換性がある。このため「Oracle社のデータベース製品にビジネス・インテリジェンス機能が組み込まれるのを待つ必要がなくなる」(IBM社)。

 DB2 Intelligent Miner Scoringは,業界団体「Data Mining Group」のPMML(Predictive Model Markup Language)を採用する。

 なおIBM社は現在パートナ企業と協力して,高性能で柔軟性の高いデータ・マイニング・アプリケーションを開発しているという。対応アプリケーションの開発にあたっている主要な企業には,Unica社,Xchange社,Angoss社,the Center for Data Insight社,LogMetrix社などがある。

 DB2 Intelligent Miner Scoringの一般向けリリースは2001年3月30日に予定する。価格は1CPU当たり1万5000ドル(DB2 Universal Databaseと同じ)。

 なお米IDCの調査によると,ビジネス・インテリジェンスの市場は2004年までに128億ドル規模にまで増大するという。

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