米Microsoftが米国時間7月20日に,「Internet Explorer 5.5」を使うユーザのプライバシ保護を目的とする,cookie管理機能のテスト・ベータ版をリリースした。cookieの種類やどこで生成されたのかなどの情報を,ユーザにわかりやすいように提供する。

 cookieの管理や消去をユーザが行いやすいように配慮した。「Cookieがどのように生成され,個人情報が収集されるのかがわからないとのユーザの懸念に対応した」(Microsoft社)。具体的には以下の通り。

・cookie通知機能
 デフォルトでCookieを受け付けるかどうかを通知する

・cookieコントロール
 インターネット・オプションのページに「cookieを全て消去」のボタンを追加。Cookieによるカスタマイズ・サービスなどが不要になった場合に,一括消去できる。

・Helpの追加
 ヘルプ・メニューを追加し,セキュリティやプライバシ保護情報などへのアクセスを簡易化。

 今回リリースしたのは「IE 5.5」向けのテクニカル・ベータ版。Windows 2000のベータ・テスタのほか,提携企業や個人ユーザ,企業ユーザなどからもフィードバックを募り,向こう4週間以内にパブリック・ベータ版を作成する予定。cookieの利用によってユーザのプライバシが侵される可能性があるとの指摘に配慮し,一般ユーザにもテクニカル・ベータ版を公開し,フィードバックを受けることにした。

 cookieは,WWWサーバがユーザを識別するための文字列情報。ユーザのハード・ディスク装置に格納される。ユーザごとにカスタマイズしたWWWサービスを提供するために,アクセス履歴などユーザのインターネットの利用傾向に関する「個人情報」を集める。また,広告主が広告の閲覧状況を把握したり,顧客に的を絞った広告展開を行うといった目的でも利用が進んでいる。

 cookieの管理機能には,Platform for Private Preferences(P3P)あるいはTrustLabelsなどの技術を採用した。なおMicrosoft社は,World Wide Web Consortium(W3C)の「P3P Interoperability Session」で,Windowsの次期バージョン「Whistler(開発コード名)」にP3P対応のプライバシ保護機能を組み込むと発表している。

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  • www.microsoft.comに掲載の発表資料