米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は米国時間3月20日に,ラスベガスで開催中の「CTIA Wireless 2001」の基調講演でMicrosoft社のモバイル戦略について明らかにした。モバイル・データ・サービスを普及させるうえで,ソフトウエア業界と無線業界の協力が重要だと強調し,次のように述べた。

 「モバイル事業者はインフラに多額の資金を投じてきた。現在,彼らはこの投資を顧客にとって価値あるものにするための方法を探っている。XMLやMicrosoft .NETプラットフォームに基づくソフトウエア技術を通じて,無線業界を成長に導く無線ソリューション,サービス,スマート・デバイスの提供に取り組んでいる」(同氏)。

 さらにBallmer氏はMicrosoft .NET戦略の重要性と,事業者,開発者,機器メーカーなどの協調によるビジネス・チャンスについて語った。6800万人以上の「Outlook」ユーザーおよび9000万人以上の「Hotmail」ユーザーから寄せられる質問で特に多いのは,「自身のデータへの無線アクセス」に関するものだという。

 Microsoft社は今後1年で,機器の機能を高めるモバイル・ソフトウエアだけでなく,企業やモバイル事業者が無線ネットワークでデータやサービスを配信できるようなサーバー・ソフトウエアを提供して行くとしている。

 Ballmer氏はMicrosoft社がCTIAで発表する内容にも触れた。主な提携およびソフトウエア・ソリューションは以下の通り。

(1) Microsoft社のスマートフォン・ソフト(開発コード名「Stinger」)
 HTC(High Tech Computer)社がStinger対応のスマートフォン携帯電話機を開発するベンダーに加わった。HTC社のほか,英Sendo,韓国のSamsung Electronics,三菱電機がStinger対応携帯電話機の開発を予定している。

(2)「Microsoft Mobile Explore(MME)」
 Microsoft社とMitsubishi Wireless Communicationsは,MMEに対応した携帯電話機2種を2002年に米国で販売する。「北米市場初のMME対応機となる」(Microsoft社)という。

(3) 「Pocket PC」
 米J.D. Edwardsは,Pocket PCを自社のサービス「OneWorld Xe」の専用PDAプラットフォームとする。

 また,Ballmer氏はStingerプラットフォームで「Windows Media Player」の技術デモを行った。Windows Mediaの無線ハンドセットでのデモは今回が初めてである。さらに,MSNブランドによる米Motorola製双方向ページャ「T900」も発表した。

 モバイル・インターネットに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「モバイル」で詳しくお読みいただけます。

◎関連記事
米マイクロソフトと米モトローラ,ページャ使う電子メール/IMサービスで提携
米マイクロソフト,3G対応のスマートフォン向けソフト「Stinger」を披露
米MSが「Outlook Mobile Manager ベータ版」,モバイル機の情報をAI技術で自動選別
Microsoftがモバイル向けサーバー製品「Mobile Information 2001 Server」発表
EricssonとMicrosoftがモバイル・インターネットの合弁を立ち上げ
米マイクロソフト,携帯電話向けブラウザMobile Explorer 3.0評価版をリリース
ベールを脱ぐ,Microsoftが開発中の携帯無線機器向け製品
Microsoft,ソニーにMobile Explorerのライセンスを供与
QUALCOMMとMicrosoftが無線通信機器の開発・拡販で戦略提携
Microsoftが「Microsoft Mobile Explorer」を発表

[発表資料へ]