IEEE 802.3 Working Groupは,3月12日から15日にかけて開催した会議で,10GビットEthernetの標準化を進める「IEEE 802.3ae (10 Gigabit Ethernet) Task Force」が提出していた最新のドラフト「802.3ae/D2.3」を満場一致で承認した。10 Gigabit Ethernet Allianceが米国時間3月19日に発表したもの。

 「2年間にわたって作業を進めてきたドラフト版が『技術的に完成』との承認を受けた。これによって仕様策定は最終段階に入った」(802.3ae Task Force会長兼主席エンジニアのJonathan Thatcher氏)。

 「10 Gigabit Ethernetの標準化作業は,2002年前半の完成・最終承認に向け,重要なマイルストンを無事通過した。仕様の策定は予定通りに進んでいる。標準仕様が固まり,製品化に向けたスタートが切れる」(Gigabit Ethernet Alliance)。

 ドラフトでは,幅広いファイバの種類と延長距離をカバーするために,物理層のインタフェースを複数定義している。二つのマルチモード・インタフェースは,Gigabit Ethernetで通常用いるFDDI(Fiber Distributed Data Interface)グレードのファイバを考慮して定めた。

 一つは波長850nmのシリアル・インタフェース。延長距離は65m以上である。もう一つは波長1310nmのWDMインタフェースで,企業のバックボーンといった用途を見込んでいる。延長距離は最長で300mである。

 シングル・モードのファイバ向けでは,波長1310nmのインタフェースで10km,波長1550nmのインタフェースで40kmの延長距離となる。10 Gigabit Ethernet Allianceは,対応する物理層のインタフェースに関する詳細情報を,WWWサイトで公開している。

 10 Gigabit Ethernet AllianceはIEEE(米国電気電子学会)によるIEEE 802.3の標準化作業を支援する目的で,米3Com,米Cisco Systems,米Extreme Networks,米Intel,米Lucent Technoklogies,カナダNortel Networks,米Sun Microsystems,米World Wide Packetsが設立した業界団体である。IEEE 802.3ae Task Forceへの技術的助言も行う。

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