「2000年第4四半期に広帯域接続用ケーブル・モデムの販売が売上高,出荷台数ともに落ち込んだ。出荷台数は前期比13%減で,市場のマイナス成長はこれが初めて」。米Cahners In-Stat Groupが米国時間3月19日に,調査結果を発表した。

 消費者向けとOEM向けの両方で出荷が伸び悩んだ。出荷台数の落ち込みから平均販売価格が下落しているため,売上高の落ち込みは一層大きくなっているという。「市場環境の悪化から,企業の合併やモデム事業からの撤退などが目立つようになった」(In-Stat社)。

 In-Stat社は,ケーブル・モデムが大きく落ち込んだ理由として, 「CATV統括運営会社(MSO)が抱える在庫が膨らんでいる」ことを挙げている。

 In-Stat社によれば,パソコン販売の不振により,アナログ・モデムの販売も落ち込んでいる。さらにPCカードやComboカードなどノート・パソコン用モデムの販売も著しく悪化している。

 In-Stat社によるその他の調査結果は以下の通り。

・ADSL宅内装置市場の落ち込みは前期比1%未満とケーブル・モデムに比べわずか。

・2000年第4四半期のDSL宅内装置市場では仏Alcatelが最大のシェアを占めて首位に立った。また米3Comが,シェア10%から19%へと大きく伸ばした。

・アナログ・モデム市場では,3Com社にかわって米US Roboticsが圧倒的なシェアを占めて首位に立った。US Robotics社は97年6月に3Com社が買収し,同社に組み込まれていたが,2000年9月に3Com社が米Accton Technology,米NatSteel Electronicsとともにアナログ・モデム事業の新会社として,US Robotics社を再び立ち上げている

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