電子決済サービス大手の米CyberCashが米国時間3月2日に,米連邦破産法の適用を申請すると発表した。

 これに伴い,すでに発表している決済関連のコンサルティング企業である米Network 1 Financialを買収・合併する計画を撤回し,Network 1社にCyberCash社の資産を売却することで両社が合意した。両社が同日明らかにしたもの。両社は,4月の初めまでに売買手続きを完了する予定である。

 Network 1社は,クレジット・カードや電子送金などによる決済の導入支援サービスなどを小売業に対して提供している未公開のコンサルティング会社。実店舗とオンライン販売サイトの両方に決済サービスを提供できるのが同社サービスの特徴である。2000年の売上高は2360万ドル。

 CyberCash社は12月14日(米国時間)に,株式交換によりNetwork 1社を買収して両社の事業を統合,「決済手数料収入を増やし,売上高と現金収支の両面で財務体質を改善する」との計画を発表していた。買収金額は4500万ドルだった。

 2月1日にCyberCash社が発表した同社の2000年通年決算は,純損失が9300万ドルで,1株当たり損失は3ドル67セント。前年は純損失4300万ドルで,1株当たり損失は2ドル2セント。その後同社の株価は1ドルを割り込む水準にまで下落していた。

 CyberCash社は電子商取引事業者など2万7500社の顧客と,10万人のソフトウエア・ユーザーを抱える。同社は,顧客へのサービスは継続する意向である。

 なお,CyberCash社の日本法人であるサイバーキャッシュ(本社:東京都千代田区)には,ソフトバンク・グループ,三井物産,オムロンなどが出資している。

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