米Intelは,次世代ネットワークに向けたアプリケーションとサービスを提供するための戦略や新製品を発表した。開催中のIntel Developer Forumで米国時間2月28日に明らかにしたもの。

 Intel社によると,同社は音声とデータ・ネットワークの融合がもたらす可能性に対応できる通信機器と,無線クライアントの開発期間短縮を狙った通信プロセサのための二つのアーキテクチャを用意したという。「Intel Internet Exchange Architecture (Intel IXA) 」と「Intel Personal Internet Client Architecture (Intel PCA) 」である。前者は次世代ネットワークのインフラ需要に応える。後者は次世代無線クライアントへの移行にかかる期間を短縮するものという。

 「Intel社は通信プロセサ技術の大手サプライヤであり,次世代ネットワークの開発を成功させるための専門知識と多様な製品をもつ。Intel IXAとIntel PCAはこの戦略の礎石となる」(Intel社Wireless Computing and Communications Group上級副社長兼ジェネラル・マネージャのRon Smith氏)。

 まず,Intel IXAの製品ラインとして,同社は光ネットワーク向けLSI製品を発表した。二つの‘Digital Wrapper’LSI「IXF30005」「同30007」,‘Bandwidth Manager’LSIの「IXF6192」,マルチプレクサ/デマルチプレクサLSIなどである。

 「光ネットワーク向けLSI製品を使ったシステムを導入することで,サービス・プロバイダは光ファイバ・ケーブルで信号の伝送距離を伸ばすための高価な中継器を設置する必要がなくなる」(Intel社)。新製品は,ATM,Packet over SONET,Packet over Fiber,10 Gigabit Ethernetといった複数のプロトコルに対応しており,これらすべてのプロトコルに対応する必要があるサービス・プロバイダにとっては重要な製品としている。

 XF30005と同30007は,複数プロトコルのデータをカプセル化する機能をもつ。パケット・データのエラー訂正を行うFEC(forward error correction)技術を用いている。これにより信号の伝送距離をこれまでに比べ最大400%延長するという。対応するデータの伝送速度は10Gビット/秒(OC-192)である。

 これらFEC製品とデータ・トラフィックの優先順位を設定するBandwidth Manager(帯域管理LSI)IXF6192を組み合わせることにより,サービス・プロバイダは音声とデータの広範なサービスを顧客に提供することができるとしている。

 このほか以下のHigh Speed Physical Layer(HSPL)関連の4製品を発表した。

・LXT16784/LXT16785
 10.0/10.7Gビット/秒のマルチプレクサ/デマルチプレクサLSI。同一回線上の複数の信号に対応。
・LXT16748/LXT16749
 12.5Gビット/秒のマルチプレクサ/デマルチプレクサLSI。超長距離敷設向け。
・LXT16742/LXT16743
 10.7Gビット/秒のマルチプレクサ/デマルチプレクサLSI。長距離/地下 敷設向け。
・LXT19908
 10Gビット/秒の制限増幅LSI。

 さらに,携帯機器向けのIntel PCAについてIntel社は以下のように説明した。「Intelの無線向けLSI製品を使って,Intel PCAのメリットを生かしたハンドヘルド機器の開発が可能となる。StrongARMやXScaleマイクロアーキテクチャを使った将来のプロセサは,高性能・低消費電力を求めるソリューションに最適。Intelは通信市場向けに携帯電話のベースバンドLSIや高速フラッシュ・メモリも供給する」(同社)。

 Intel社はWindows CE搭載のハンドヘルド機器向けソフトウエア「Intel Persistent Storage Manager (PSM) 3.0」の発表も行った。同社のStrataFlashメモリと連携して,フラッシュ・ファイルおよびメディア・マネージャとして機能し,コードの実行,ファイル保存,レジストリのバックアップが可能となる。

 Intel社は最後に,StrongARMとXScaleプロセサ向けのツール「Intel Integrated Performance Primitives (IPP) 」が利用可能になったことも明らかにした。「Intel製の全プロセサへのポーティングが可能なアプリケーションの開発を促進する」(同社)。

[発表資料1]
[発表資料2]