米IDCが米国時間2月27日に,インターネットを介した教育トレーニング「e-learning」の世界市場に関する調査結果を発表した。

 企業向けe-learningの世界市場は驚異的な成長をみせ,2004年には230億ドルを超える規模に達するという。1999年の売上高は20億ドルに満たなかった。

 「e-learning市場のベンダーは,素早い対応でコンテンツの向上やローカライズ問題の解決を図る。そのため導入に消極的だった企業がe-learningを利用するようになる。インターネットの普及,接続速度や信頼性の向上,さらに通信コストの低下なども市場の成長を押し上げる」(IDC,Corporate eLearning調査プログラム・マネージャのCushing Anderson氏)。

 しかし,ベンダーは地域ごとにカスタム化した手法を採るべきだとIDCは忠告する。「地域によって市場の可能性,成長要素や障害,競合状況,コンテンツの需要は大いに異なる」(同氏)。

 最も成長する地域は北米で,2004年には企業向けe-learning市場における総売上高の2/3を占めるようになる。西欧は最も急速な伸びをみせ,1999年から2004年に年平均97%で成長する。同時期における世界全体の平均成長率は69%である。

 また,コンテンツの需要に大きな変化が起こるとIDCは予測する。2000年はIT関連コンテンツが世界における売上高の72%を占めた。しかし2004年には非IT関連コンテンツの割合が拡大し54%を超える。

 Anderson氏によれば,非IT関連コンテンツへの変化を促す主な要因は次の通り。

1)既存の非IT関連教材がWWW対応になる
2)非IT関連ベンダがWWWトレーニング戦略を導入する
3)IT関連トレーニングのベンダが非IT関連市場に進出する

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