米Intelが,700MHz動作のノート・パソコン向けPentium IIIプロセサを発表した。1.1Vで動く「Low Voltage mobile Pentium III」である。カリフォルニア州サンノゼで開催中のIntel Developer Forumで米国時間2月27日に明らかにしたもの。

 用途として想定しているのは,重量3ポンド(約1.36kg)以下のサブノート・パソコン。ちなみにIntel社はフルサイズのノート・パソコン向けプロセサとして動作周波数が最大850MHzのmobile Pentium IIIを,サブノート向けではすでに動作周波数500MHzの「Ultra Low Voltage mobile Pentium III」と同「Ultra Low Voltage mobile Celeron」を発表している。

 Low Voltage mobile Pentium IIIは,0.18μmルールの半導体技術で製造する。AC電源時とバッテリ動作時に電圧と動作周波数を自動的に切り替えるSpeedStep機能を内蔵する。

 AC電源時の「Maximum Performance Mode」(700MHz動作)の電圧は1.35V。バッテリー動作時の「Battery Optimized Mode」では500MHz動作に切り替え,電圧は1.1 V,平均消費電力は1W以下となる。ちなみに動作周波数500MHzの「Ultra Low Voltage mobile Pentium III」のバッテリー動作時(300MHz動作時)の電圧と消費電力は,それぞれ1V以下と0.5W以下である。

 700MHzのLow Voltage mobile Pentium IIIのFSB(front-side bus)は100MHz。256Kバイトの2次キャッシュをオンチップに集積している。3次元グラフィックスや動画/音声といったベクトル・データを処理するための拡張命令セット「Streaming SIMD Extension(SSE)」に対応する。BGA(Ball Grid Array)パッケージに封止。1000個ロット時の価格は316ドル。

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