米Intelは開催中の開発者会議「Intel Developer Forum」で次世代サーバI/O「InfiniBand」に対応したスイッチド・ファブリック(スイッチ網)の公開デモを米国時間2月26日に行った。

 Intel社はInfiniBand対応LSIのサンプル出荷をすでに始めている。年内に量産の予定。Intel社では,InfiniBand対応システムが年内にも市場に登場するとみている。

 デモは米Adaptec,米Agilent Technologies,米Compaq Computer,米Computer Associates,米Crossroads Systems,米LSI Logic,米Q-Logicとともに行った。

 Intel社は,2001年半ばまでにInfiniBandの相互接続性を検証するラボを開設する予定を立てている。相互接続が可能なInfiniBand製品の開発を促進するのが目的。これは,InfiniBand Trade Association(IBTA)の適合/相互接続性促進プログラムに向けた同社の取り組みを補完するもので,Intel社のInfiniBand製品との相互接続性検証のためのテスト環境を開発者に提供する。

 また,Intel社は開発者向けのInfiniBand製品開発キットの配付を数週間のうちに始めることも明らかにした。この開発キットはInfiniBand製品の開発期間を短縮することを目的としている。Intel社のInfiniBandホスト・チャネル・アダプタやソフトウエアが含まれる。また同社は,InfiniBandポートに対応したLSIを開発するための,「ポート・ロジック・キット」のベンダ向け出荷を始めていることも発表した。

 InfiniBandは,次世代サーバ向けの入出力インタフェース。Gigabit Ethernetやディスク装置,サーバ間接続などに用いるシリアル通信ネットワークで,PCIバスの遅さを解消する。InfiniBandは,Intel社が主体となって開発していた「Next Generation I/O(NGIO)」と,米IBMや米Compaq Computer,米Hewlett-Packard(HP)が主導した「FutureI/O(FIO)」を統合したI/Oアーキテクチャである。1999年8月の統合当初は「System I/O」と呼ばれていた。

 技術的にはスイッチド・ファブリックをベースとする。リンク1組(1組は単方向の伝送路2本で構成),4組,12組の仕様がある。リンク1組で2.5Gbps,4組で10Gbps,12組で30Gbpsとなる。各リンクには銅線あるいは光ファイバを使う。銅線の場合,延長距離は17m。光ファイバだと最長10kmまで延ばせる。

 InfiniBandを使ったシステムは,複数のサブネットで構成する。サブネット間はルータ・ブリッジで結ぶ。一つのサブネットは最大6万4000個のノードから成る。

 また1999年にIBTAを設立している。創設メンバはIntel社のほか米Dell Computer,米Microsoft,米Sun Microsystemsなど。

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