Vodafone Group PlcとFord of Europe社は米国時間2月23日に音声技術を使った車載テレマティックス・サービスに関して戦略的提携を結んだと発表した。Vodafone Groupのドイツ子会社と英国子会社Vodafone UKが,運転中の安全やセキュリティ,情報提供などのサービスに関してFord of Europe社と協力体制を敷いたものである。

 提携の対象は欧州市場で,まずドイツでD2 Vodafone社のネットワークを利用したサービスを来月にも開始する。このサービスは「Ford Focus」のオプションとして提供する。その後Vodafone UK社のネットワークを利用したサービスを英国で始めるほか,欧州の他の市場でも予定する。

 システムには,GSM携帯電話やGPS(Global Positioning System)の技術を用いており,サービスは車載のテレマティック・ユニットを介して提供される。当初は緊急救援,交通情報,ルート変更,オペレーター,音声制御といったサービスを予定している。またニュースや株価情報,気象情報,メッセージングといったパーソナル化した情報サービスも今後提供していく計画である。

 操作は,音声命令やオーディオ機器のあるフロント・パネルに配した四つのボタンで行う。ボタンには,緊急サービスにアクセスするためのSOSボタンなどがある。エアバックが開いた際には自動警報を発し,現在位置をサービス・センターに知らせる機能も備える。またFord社のオペレーターにアクセスするボタンもある。これは24時間年中無休のサービスで,ルート情報や渋滞情報,ガソリン・スタンド,ホテル,地域のイベントなどの情報を入手できる。このほか音声命令やテキスト読み上げによる情報入手や電話の送受信などが可能になるという。

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[発表資料]

[発表資料(PR NEWSWIRE)]

[発表資料(Vodafone社)]