米Gartner Groupは英国時間2月22日,欧州を拠点とする企業のモバイル事業に関する意見調査結果を発表した。

 調査結果によれば,欧州に顧客を持つ企業の82%がモバイル装置や関連アプリケーションを自社の事業にとって重要とみなしており,今後3年にわたって利用度を大幅に高めるつもりだという。しかし,第3世代(3G)携帯電話通信サービスを利用するために追加料金を支払ってもよいとする企業はわずか24%だった。

 「周波数のライセンス取得に高額を支払った欧州の3G携帯電話事業者にとっては,がっかりするニュースである。欧州に拠点を置く企業のCIOは,3Gの高速データ通信を利用したいと考えているが,高額を支払うつもりはないようだ」(Gartner社Mobile Applications Group調査ディレクタのNick Jones氏)。

 モバイル・ビジネス・アプリケーションを利用することで得られる効果として,回答者は「顧客満足度の向上」(66%),「コストの節約」(60%),「新たな事業機会」(57%)などを挙げた。しかし3Gが投資に見合う利益を上げられるかどうか,まだ確信を得られずにいる。

 モバイル投資の障害となる三つの要因は以下の通り。

  • 回答者の76%がセキュリティとプライバシの問題を懸念している。特に暗号鍵のもろさが不安を高めている。
  • 52%がコストの問題,とりわけPDAの所有と点検にかかるTCO(total cost of ownership)を心配している。
  • 携帯電話機の通話料を懸念する回答者は39%。

 「モバイル事業は成長するとの見方が多いが,問題は企業が必要とするサービスを提供できるかどうかだ。欧州企業は,従業員が投資に見合った業績をあげるという確信を得たいのである」(同氏)。

 しかし,支出の抑制と競争力の確保を両方維持することはできない。「2003年にはe-businessに関するすべての取り組みが,モバイル・チャネルを介して提供されるなんらかの要素を利用するようになる。しかし驚いたことに,回答者の21%が自社の役員会はモバイル・ビジネスを理解していないと述べている。CIOにとっての課題は,モバイル装置の重要性を説き活用手段を提供することである」(同氏)。

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