米サンが無線ネット向けソリューションで2社と提携

2001.02.23

　米Sun Microsystemsは米国時間2月22日，モバイル・インターネット向けのソリューション提供で米Openwave Systems，米PacketVideoの2社と提携したと発表した。Openwaveはインターネットのインフラ向けソフトウエアの大手ベンダー。PacketVideoは，MPEG4準拠のストリーミング配信ソフト「PVServer」の開発/提供元。

サービス事業者向けの無線ネット・ソリューションを共同開発

　SunとOpenwaveは，相互の製品/技術を持ち寄って無線ネット・サービス事業者に向けたソリューションを開発/提供する。具体的には，Sunの「Solaris 8 Operating Environment」，サーバー「Enterprise」，モジュラ型のストレージ製品「StorEdge T3」，クラスタ・ソフト「Cluster 3.0」と，Openwaveのインフラ向けソフトウエアを組み合わせる。携帯端末サービスの追加による顧客の引き留めや売上高の拡大，新市場の開拓などに向けた幅広いソリューションを提供。開発期間を短縮することによって事業者がサービス導入にかかる期間を短くし，システム管理も容易化するという。

　OpenwaveはSunからJava 2 Enterprise Edition（J2EE）のライセンス供与を受け，マイクロブラウザ「Openwave Mobile Browser」に組み込む。また，モバイル通信向けアプリケーション管理ツール「Openwave Provisioning Manager Mobile」にJavaベースのアプリケーションやサービスに対応させる拡張機能を加える。このほか，Java技術およびWAP技術に対応したコンテンツの開発ツール「Openwave Software Development Kit（SDK）」を提供する。

　さらにSunとOpenwaveはJavaやWAP技術の開発企業向けに支援プログラムを開設する。「JavaやWAP技術をベースにしたソリューションの開発を促すことで，モバイル・サービス向けに柔軟性や拡張性など優れた機能を備えるソリューションを提供できる」（SunのSoftware Systems部門担当上級副社長，Patricia C. Sueltz氏）。顧客サポート・プログラムも開設し，窓口を一本化する。

　OpenwaveはSunのJava Community Process（JCP）に参加し，モバイル・ネットワーク向けのJava技術の開発で他のベンダー企業とも協力する。Openwaveは1月末に第2.5/3世代の無線ネットワークに向けたソフトウエア・プラットフォームを発表しており，KDDIがこれを採用することを明らかにしている（関連記事）。

無線ストリーミング配信ソフトを「Netra」へ搭載

　このほかSunはPacketVideoとも提携した。PacketVideoが開発/提供するMPEG4準拠のストリーミング・サーバー・ソフト「PVServer」を自社のサーバー製品「Netra」へ搭載。さらにSunはPacketVideoへ出資し，株主となる。SunのPacketVideoへの出資額/出資比率ともに非公開。

　PacketVideoは，1998年設立のベンチャー企業。米Intel，米QUALCOMM，ソニー米国法人，米Motorola，米Texas Instrumentsなどが出資している。カリフォルニア州サンディエゴに拠点を置く。

　2月20日（米国時間）には，無線ストリーミング・ビデオ配信ソフトの新版「PVPlatform 2.0」を発表している（関連記事）。

　「Sunとの提携は，当社の製品を世界規模で拡大していく上で非常に大きな一歩となる」（PacketVideo）。