米Microsoftと米Texas Instruments(TI)が米国時間2月21日に,第2.5/3世代の携帯電話向けソリューションに関し,提携関係を拡大することを明らかにした。

 TI社のDSPアーキテクチャ「OMAP(Open Multimedia Application Platform)」と,Microsoft社の「Windows Media Audio」「同Video」およびデジタル著作権管理技術を持ち寄り,第2.5/3世代の携帯電話に向けたソリューションを開発する。

 両社は1999年にTI社のDSPプラットフォーム「TMS320C5000」をWindows Mediaに対応させることで提携関係に入っている。Windows CEのDSPへの対応や,Microsoft社が開発中のスマートフォン向けソフト「Stinger」(開発コード名)とOMAPとの連携でも協力体制を敷いている。

 「TI社のOMAPは,第2.5/3世代携帯電話のアプリケーション・プラットフォームとしてデファクト・スタンダードになっている。今回の提携拡大で,携帯電話ベンダーがWindows Media Audioおよび同Videoを用いたマルチメディア対応携帯電話機の開発を簡易化できるようにする」(両社)。

 無線端末でのオーディオ/ビデオの送受信やストリーミング配信音楽のダウンロード,そのほかインターネット・ラジオ,短編ビデオ,映画の予告,ニュース,金融関連情報,天気予報といったインターネット・ベースのサービスに向ける。

 OMAPベースのDSPは,フィンランドのNokiaやスウェーデンのEricsson,ソニー,米Handspringなどの大手ベンダーをはじめ,世界のデジタル無線端末の60%以上に採用されているという。

 Windows Mediaに関しては,Microsoft社は2000年12月に,「Windows Media Audio 8」および「同Video」のベータ版の無償配布を始めている。なおMicrosoft社は2000年12月に,「オーディオ/ビデオのストリーミング・ユーザーは3500万人で,このうちWindows Media形式のシェアは38%(2000年11月時点)」との調査結果を報告している。

 米国におけるストリーミング・メディアの視聴者数に関しては,米Nielsen//NetRatingsが「米国のストリーミング・メディア視聴が65%増の3500万人に」とする調査結果を2000年12月に発表している。3500万人はネット・ユーザー全体の36%にあたるという。(詳細は「米国のストリーミング・メディア視聴が65%増の3500万人に」と米ニールセン」)

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[Microsoft社の発表資料]
[TI社の発表資料]