ソフトウエア開発ツールのベンダ米Bristol Technologyと米MicrosoftのWindowsのソース・コードを巡る係争で,コネチカット州ブリッジポート連邦地方裁判所の陪審は,Microsoft社による独禁法違反の行為はなかったという評決を下した。

 この評決を受けてMicrosoft社は歓迎を表す声明を発表している。「州と連邦の両基準においてもMicrosoft社は独禁法に違反していないと認められた。この勝訴はソフトウエア業界全体にとって大きな意味を持つ。自社技術のライセンス供与を公正に行うため知的財産を開発する企業の権利が守られた」(Microsoft社)。

 一方Bristol社も声明を発表した。「陪審の評決は大変残念に思っているが,我々はMicrosoft社がBristol社に対して競争防止行為を行っていたと固く信じている。また他のOSの市場においてもMicrosoft社は不正な独占を図っている」(Bristol社)。

 これは1998年8月,Microsoft社がWindowsの独占的地位を不正に利用したとしてBristol社が提訴していたもの。Bristol社は損害賠償に加え,Microsoft社がWindows NT 4.0/5.0ソース・コードをBristol社に提供するよう要求していた。

 Bristol社はWindows NT開発の初期段階でMicrosoft社のパートナとしてその開発に加わっていたソフトウエア・ベンダ。Bristol社によると,Microsoft社はソフトウエア・ベンダや顧客をWindowsのプログラミング・インタフェースに依存させ後に,突然ソース・コードを非公開にしたという。「当社開発ツールのWind/Uに関連するすべてのビジネスに影響を及ぼした」(Bristol)。

・米Microsoftの声明:
http://www.microsoft.com/presspass/press/1999/Jul99/MSvictPR.htm
・米Bristol Technologyの声明:
http://www.businesswire.com/webbox/bw.071699/191971267.htm