米IBMが米国時間2月20日に,手書きの文字や図形を書けるデジタル・ノートパッドを装備したノート・パソコン「ThinkPad TransNote」の出荷について明らかにした。米国とカナダで2月中に発売を開始する。

 IBMのノートパッド付きPCThinkPad TransNoteは管理職,営業職,銀行員,弁護士といったモバイル機器を多用するユーザーに向ける。金融,保険,医療,政府,不動産,高等教育,法律などの業界を狙う。

 TransNoteは左側に10.4型TFTディスプレイ「FlipTouch」を搭載したノート・パソコン,右側にデジタル・ノートパッドの「ThinkScribe」を装備する。デジタル・ペンとノートパッドも含めて重量は約2.5kg,厚さは約33mm。802.11b準拠の無線LANカードまたはBluetooth対応PCカードをオプションで装備することにより,短距離の無線接続が可能。右利き用と左利き用のモデルを用意する。

 TransNoteの外形は,革装のポートフォリオ(書類ファイル)に似ている。写真はIBM社のWWWサイトで見ることができる。デジタル・ノートパッドは装備するものの,手書き文字認識は行っていない(「【TechWeb特約】米IBM,ペン入力用ノートパッド装備のノートPCを来週発売」参照)。

 その他の特徴は以下の通り。

・ディスプレイは10.4インチのタッチパネル・スクリーン「FlipTouch」。ディスプレイを起こすとキーボードが現れる。回転式で,対面への表示が可能。

・デジタル・ノートパッドとデジタル・ペンから成る「ThinkScribe」。手書きデータを自動保存する。2Mバイトのフラッシュ・メモリを搭載し,最大50枚のノートが保存できる。

・ノート管理ソフトウエア「Ink Manager Pro」を組み込んだ。ノートの保存や取り出し,また電子メールやワープロ・ドキュメントなどへの挿入が可能。to-doリストや電話メッセージも管理できる。

 マイクロプロセサには600MHz動作のPentium IIIを搭載する。メモリは64Mバイトで,ハード・ディスク装置は10Gバイト。OSは「Windows 2000 Professional」と「Widnows 98 Second Edition」の2種類を用意する。Ethernetインタフェースと56Kモデムを内蔵し,ポートはUSBが2つとビデオ端子用が1つ。PCカード・スロットとコンパクト・フラッシュ用スロットを備える。

 価格はWindows 98搭載モデルが2999ドル,Windows 2000搭載モデルは3099ドル。米国とカナダ以外での発売時期は国によって異なる。

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