電子決済の普及を進める米国の業界団体NACHA(http://www.nacha.org/)が米国時間2月16日に,2000年における電子小切手の利用実態について発表した。小売店での利用枚数はおよそ3200万枚。「3200万枚相当の紙の小切手が電子小切手に置き換わった」(NACHA)。

 「この数値は当初の予測を上回っている。Electronic Check Council予測では2500万枚だった。小売業者は電子的な処理によるコスト節約と効率の良さを評価し始めた。電子小切手への移行は急速に進んでいる」(NACHA,Electronic Check Council会長およびAmerican Bankers AssociationディレクタのStephen A. Schutze氏)。

 電子小切手は,NACHAが運用規定などを定めるAutomated Clearing House (ACH) Networkと呼ぶ電子決済システムのネットワークを介して処理されるもの。今回発表した数値は,このシステムで処理したトランザクション数とNACHAの電子小切手評議会(Electronic Check Council)が行なった調査をベースに算出した。

 電子小切手のトランザクションは次の手順で行われる。

 消費者は小売店に電子小切手を渡す。小売店は電子小切手をリーダにかけ,銀行の口座番号やシリアル・ナンバーなどの小切手の情報を得る。その後小売店は「無効」などと記した小切手を消費者に戻す。消費者は電子トランザクションを承認する証拠としてレシートに署名し,記録として写しを保管する。小売店はトランザクションの金額と小切手の情報を使って決済を行う。決済はネットワークを通じて電子的に処理され,明細が消費者の毎月の計算書に記載される。

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