(2001.2.15,Mark Hackman=TechWeb News )

 米IBMがメモ書きで文字や図形を書けるデジタル・ノートパッドを装備したノート・パソコン「ThinkPad TransNote」を来週にも発表する予定だ。米国で2月20日に受注を始める。

 TransNoteの外形は,革装のポートフォリオ(書類ファイル)に似ている。左側に10.4型TFTディスプレイ「FlipTouch」を搭載したノート・パソコン,右側にデジタル・ノートパッドの「ThinkScribe」を装備する(IT Pro注:「ThinkScribe」はタッチパネル・ディスプレイ,専用キーボード,デジタル・ペン,デジタル・ペーパー・パッドから成る。写真はIBM社のWWWサイトで見ることができる)。ノートパッドの寸法はレターサイズ(米国で標準として用いられる紙のサイズ)。ペン入力のほか専用のキーボードを使った入力も可能。キーボードはTFTディスプレイの下に収納できる。

 TransNoteは重量約2.5kg,厚さ約33mm。マイクロプロセサには600MHz動作のPentium IIIプロセサを搭載する。ハード・ディスク装置は10Gバイト。(IT Pro注:OSは「Windows 2000Professional」と「Widnows 98 Second Edition」の2種類を用意)。価格は2999ドル~3099ドル。ディスプレイは回転式で,対面でのプレゼンなどに使える。

 Ethernetインタフェースおよび56Kモデムを内蔵し,ポートはUSBが2つとビデオ端子用が1つ。PCカード・スロットとコンパクト・フラッシュ用スロットを備える。

 ThinkScribeには2Mバイトのフラッシュ・メモリを搭載しており,およそ50枚程度のノートが保存できるという。

 「このTransNoteは,デジタル・ノートパッドを装備した製品群の第1弾となるもの。残念ながら,手書き認識には対応していない。IBM社はこうしたタイプの製品を今後もさらに投入していくとみられるが,多くのユーザーを引き付けるためには,やはり手書き認識のような技術を組み込むべき」(米Technology Business Researchのアナリスト,Bob Sutherland氏)。

 TransNoteはIBM社が1998年に筆記具大手の米A.T.Crossと共同開発したパソコン用手書き入力装置「CrossPad」にも似ている。ThinkScribeとCrossPadは,ともにIBM社のデジタル・ペン用ソフトウエア「Digital Ink」を用いる。

 「私自身,電話会議が終わると,手元には大量のメモ書きが残される。メモ書きをそのままダウンロードしたり,ファイルできればとても便利だ」(Sutherland氏)。
 米国以外の市場での出荷は3月を予定している。

Copyright(c) 2001 CMP Media Inc. All rights reserved.

[記事へ]

◎関連記事(IT Pro注)
Microsoftがノートパッド型PC「Tablet PC」のプロトタイプを披露
紙のように薄くて軽い“電子ぺーパー”,米ゼロックスも発表
紙のように軽くて薄いディスプレイ“電子ペーパー”を米ルーセントなどが披露

関連サイト