スウェーデンのEricssonと米IBMが現地時間2月15日に,金融機関のモバイル・インターネット・サービス支援で提携関係に入ることを明らかにした。

 両社は,資産管理やアカウント・アグリゲーション(預金口座や年金,電子メールなど,オンライン上での個人情報を一括管理するサービス),モバイル電子商取引(mコマース),クレジット・カードの決済通知といった企業-顧客間(Business-to-Client)サービス向け技術の開発と実装で協力体制を敷く。

 「Ericsson社の無線通信に関する専門知識,IBM社が持つサービスと情報技術のノウハウを組み合わせる。複数チャネルに向けた大規模サービスを導入するための安全で拡張性の高いインフラを金融機関に提供する」(両社)としている。

 具体的には,「Mobile e-Pay」「Safetrader」「WAP Gateway」といったEricsson社のmコマース向けアプリケーション「Mobile Internet」,「WebSphere Everyplace Suite」などのIBM社のソフト「WebSphere」ファミリ,IBM社のサーバー・マシン「eServer」を組み合わせる。IBM社のIBM Global Services部門がコンサルティングとITインテグレーション・サービスを担当する。

 「金融サービス機関が現在進めている無線プロジェクトの多くはまだ試験的段階で,数百人の顧客を対象にしたものでしかない。しかし,金融機関は世界中の数十万人という顧客に対応したサービスを提供する必要がある」(IBM社IBM Global Services部門Strategy and Solutions副社長のMark N. Greene氏)。

 「今回の提携は,金融サービス分野におけるGPRSなど第3世代(3G)携帯電話向けアプリケーション開発の促進も視野に入れる」(Ericsson社Internet Applications部門社長のLars Boman氏)。

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[www.ibm.comに掲載の発表資料]
[www.ericsson.netに掲載の発表資料]