米国のソフトウエア関連の業界団体Software & Information Industry Association(SIIA)が米国時間2月8日に,シカゴ在住のJulian Kish氏に対して起こしていた民事訴訟が和解に至ったことを明らかにした。同氏が米Adobe Systems,米Silicon Graphicsの一部門Alias|Wavefront,米Macromediaの著作権を侵害したとして,2週間前にイリノイ州北地区連邦地裁に提訴していたもの。

 和解の内容には,今後いっさい著作権を侵害してはならないとの命令に加え,違法販売に対する罰金の支払い(金額は明らかにしていない)やKish氏による公式謝罪文の提出が含まれている。ちなみにKish氏には著作権侵害1件につき最高15万ドルの損害賠償が請求されていた。

 SIIAは今回発表した和解の直前に,米eBayやYahoo Auctionsといったオークション・サイトで違法に複製したソフトウエアを出品している販売者を捜索する目的でおとり捜査を行っている。著作権侵害者はオークション・サイトに入札したユーザの電子メール・アドレスを収集し,違法複製ソフトを販売する旨の電子メールを送りつけているという。

 「この種の著作権侵害はソフトウエア業界にとって重大な問題である。著作権侵害者はどんどん知恵をつけている。何も知らない消費者が違法複製ソフトを購入する可能性もある。我々は,ハイテク業界に被害を与えるこのような行動を断固としてやめさせなければならない」(SIIA,Anti-Piracy Programs副議長のPeter Beruk氏)。

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