米国の調査会社NPD INTELECTが米国時間2月9日に,電子商取引(EC)のトラッキング・サービス(販売データ追跡サービス)を始めたことを明らかにした。まずはPDA,プリンタ,デジタル・カメラ,MP3プレーヤといったハイテク関連の商品について調査を行ったという。
同社は,これら製品について従来の小売り店と電子商取引でのデータを集めている。従来の小売り販売とは,実店舗やカタログによる通信販売などから成る。電子商取引による販売には,クリック・アンド・モルタル(WWWと実店舗の両方のチャネルをもつ店)やクリック・アンド・カタログ(WWWとカタログによる通信販売と両方のチャネルをもつ店)といった手法が含まれる。
同社の調査よると,2000年第4四半期では電子商取引による平均販売価格が従来の小売り販売よりも高かったという。
これは電子商取引で,同じ商品が高値で売られているということではない。NPD INTELECT社のディレクタのKeith Barber氏によれば,むしろWWWで提供されている製品の価格は従来の販売店よりも低いという。このため電子商取引では消費者がより高価な機種に手が届く。
「例えばPDAでは,白黒ではなくカラー画面のものを購入できるようになる。プリンタではこれが顕著だ。ハイエンド・モデルのプリンタが売れている。このため電子商取引でのプリンタの平均販売価格が非常に高くなっている」(同氏)」。
■実店鋪販売と電子商取引(EC)の平均販売価格(2000年第4四半期)
カテゴリ | 実店鋪平均販売価格 | EC平均販売価格 |
PDA | $271 | $293 |
プリンタ | $214 | $366 |
デジタル・カメラ(注) | $294 | $337 |
MP3プレーヤ | $204 | $205 |
(注)PCカメラおよびデジタル・スチル・カメラを含む
出典: NPD INTELECT Market Tracking
四つの商品カテゴリのうち電子商取引で最も良く売れたのがMP3プレーヤ。MP3プレーヤ全体のほぼ30%が電子商取引で販売されている。
■電子商取引の占める割合(2000年第4四半期)
カテゴリ | 台数ベース | 売り上げベース |
PDA | 11.8% | 14.4% |
プリンタ | 4.5% | 8.1% |
デジタル・カメラ(注) | 8.6% | 9.8% |
MP3プレーヤ | 29.7% | 42.4% |
(注)PCカメラおよびデジタル・スチル・カメラを含む
出典: NPD INTELECT Market Tracking
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