米Microsoftの社長兼CEOのSteve Ballmer氏が米国時間2月6日に,組み込み向けWindows製品に関する過去半年の状況と今後の計画について明らかにした。ラスベガスで開催中の組み込み向けWindows開発者会議,Microsoft Windows Embedded Developers Conference (DevCon)の基調講演で発表したもの。

 同氏は,2000年4月にEmbedded and Appliance Platforms Groupが発足して以来の状況について説明し,組み込み業界に対する取り組みの強化や「.NET」戦略における「スマート・デバイス」の果たす主要な役割について説明した。ここで言うスマート・デバイスとは,.NET構想において機器が,ユーザーやネットワーク,他の機器,情報,サービスに「賢く」対応するというもの。

 同社のWWWサービス・プラットフォームである.NETが,アプリケーションやサービス,スマート・デバイスが協調して機能する環境を実現するものとし,これによって,いつどこでも,どの機器を使っても情報へのアクセスと対応が可能になるという。

 また,次期Windows CE(開発コード名「Talisker」)やWindows NT Embedded 4.0の後継OS(開発コード名「Whistler Embedde」)といった次世代の組み込みプラットフォームで,.NET戦略に基づくスマート・デバイス開発のための最初のビルディング・ブロックを提供することも明らかにした。これらの次世代プラットフォームについては,大手半導体ベンダー各社がTaliskerへの支持を表明している。また,200社以上の企業がWhistlerのベータ1プログラムへ参加している。

 なおMicrosoft社によると,組み込み向けWindowsのパートナー・プログラム「Windows Embedded Partner Program」には,世界37カ国の450社以上の企業が参加している。またWindows CEおよびWindows NT Embeddedに対する顧客の需要も増えており,同社2001年会計年度前半中(2000年7月~12月)に780件以上の開発が始まったという。

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