米IBMは米国時間1月31日に,Linux関連のサービスやハードウエア,ソフトウエア,今後の製品計画などを明らかにした。ニューヨークで開催中のLinuxWorld Conference & Expoで発表したもの。

 ハードウエアでは,64ウエイのサーバー・マシン「eServer x430」を明らかにした。x430では,新たに発表したミドルウエア「Linux Application Environment (LAE)」を走らせることができる。LAEは,既存のLinuxアプリケーションを,1プロセサのPCサーバーからメンフレームにまで対応できるようにスケーラビリティを高めるソフトウエアである。

 「x430はx86プラットフォームとメインフレームとのギャップを埋める」(IBM社)。

 またLAEへの対応を支援する目的で,「Linux Competency Center」をオレゴン州に開設したことも明らかにした。ISV(Independent Software Vendor)にLAEに対応するアプリケーション・ソフトウエアの試験環境を提供する。

 Linux関連のサービスについては,今後3年間で3億ドル以上の追加投資を行い,新たなサービスを開発していく予定である。これには,Linuxベースe-business環境への移行を支援するサービスや顧客教育をバックアップするコンサルティング,クラスタ・サービスなどが含まれる。

 またドイツSuSE Linuxとテクニカル・サポートに関する契約を結ぶ。IBM社はすでに米Red Hatや米Linuxcareとサポート・サービスに関して提携しているが,SuSE社との提携により同社のサポート体制を強化する。

 このほか,Linuxベースのネットワーク・プロセサ「PowerNP」向けソフトウエア開発ツールとサービス,顧客や従業員管理向けソフトウエアの「Domino Workflow on Linux」, Tivoli Systemsの管理ソフトウエアのLinuxサポート強化,eServer xSerie向けLinux版「IBM Director」,Thin Client製品「NetVista Thin Client」のLinux対応(「N2200l」)などについても明らかにしている。

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