米AOL Time Warnerが米国時間1月31日に,合併後初めての決算報告を行った。今回発表した内容には,米America Online(AOL)の2000年10月~12月期決算,AOL Time Warner社の2000年10月~12月期および通年の決算,米Time Warnerの2000年10月~12月期および通年の決算が含まれる。

 AOL社の2000年10月~12月期決算は,売上高,広告やコマースなどの収入,EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益),営業利益,AOL会員の増加率で新記録を達成した。

 売上高は約21億ドルで前年同期の16億ドルから27%増加。広告やコマースなどの収入は7億4100万ドルにのぼった。前年同期比65%増である。一時的な費用を除いた純利益は3億6500万ドル(希薄化後の1株当たり利益は15セント)。前年同期の2億1900万ドル(同9セント)から67%増加した。

 四半期におけるAOLサービスの新規加入者数は210万人。米国では120万人以上,米国外で約85万人が新たに会員に加わった。通年の新規加入者数は620万人で合計の会員数は2670万人に達した。CompuServe 2000サービスは,四半期の新規加入者数が21万3000人,通年では89万7000人が新たに加わり,合計の会員数は約300万人となった。

 なお,AOLサービスの会員数に関してはAOL社が同日発表を行っている。それによると,英国で展開している定額サービス「AOL FLAT PLAN」の会員数が100万人に到達するなど,米国外の会員数が500万人を超えたという。

 AOL Time Warner社としての2000年10月~12月期における業績は,売上高が102億3100万ドルで前年同期の95億ドルから8.2%の増収。純損益は10億9000万ドルの赤字で,前年同期の1億9400万ドルから赤字額が拡大した。EBITDAは前年同期の21億ドルから14%増加し,24億ドルとなった。

 会員による収入は38億ドルで,前年同期の35億ドルと比べて11%増加。広告とコマースの収入は26億ドルで,同23億ドルから14%増加した。

 通年の業績は,AOLをはじめ,CATV,出版,ネットワーク事業が牽引した。売上高が362億ドルで前年の325億ドルと比べて11%増収。調整後のEBITDAは前年の70億ドルから19%増加し,84億ドルとなった。

 会員からの売り上げは前年比13%増の147億ドル。合計会員数は前年比16%増の1億3000万人で2000年を終えた。広告とコマースの収入は前年から24%増え,87億ドルに達した。

 「我が社のコンテンツ事業はインタラクティブ・サービスに向けてすでに体制を整えている。自社の映画,テレビ,アニメ,音楽,書籍タイトルのライブラリを活用し,インタラクティブTV,電子ブック,オン・デマンドのデジタル音楽やビデオ配信といった新事業を進めていく」(AOL Time Warner社共同COOのDick Parsons氏)。

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[www.aoltimewarner.comに掲載の発表資料]
[media.web.aolに掲載の発表資料]