米Adobe Systemsが米国時間5月31日に,電子ブック事業で米PricewaterhouseCoopers,米InterTrustと提携したことを明らかにした。Adobe社の「Acrobat」およびPDF(Portable Document Format)などのソフトウエア技術と,PricewaterhouseCoopers社のインテグレーション・サービスおよびディジタル著作権管理サービス「DigiHub」を組み合わせる。「DigiHub」はInterTrust社のディジタル知的財産権管理技術(Digital Rights Management:DRM)をベースにしている。

 PricewaterhouseCoopers社は,InterTrust社の技術をAdobe社のAcrobatやPDFに組み込んで,セキュリティや知的財産権に配慮した電子ブックの配信システムを構築する。顧客の要望に応じて,AcrobatやAcrobat Reader,PDA Merchantを用いる。オンライン・ショップの米Web Buyとも提携する。

 Adobe社ではPDF技術をもとに,「ePaper」とよぶソリューションを展開している。電子文書による柔軟性やスピードといった利便性を提供する。Acrobat 4.0,Acrobat business Tools,Acrobat Capture 3.0,Acrobat Distiller Server,Acrobat Messenger,PDA Merchantなどの製品で展開する。Acrobat Readerは,現在世界市場で1億6500万のユーザを抱える。

 Adobe社は米国時間5月31日に,Ingram Industries社傘下のLightning Sourceと電子ブックの著作権保護に関して提携したばかり。Lightning社が,インターネットを介した電子ブックとデジタル・コンテンツの配布にAdobe社のソフトウエア「PDF Merchant」を採用するというものだった。

 なお,米出版社の業界団体Amerian Association of Publishersの調査報告によれば,電子ブック市場は2005年までに23億ドル規模にまで拡大するという。

■海外で発表されたニュース・リリースの抜粋を速報体制で制作しています。あくまで抜粋ですので,内容などにつきましては必ず文末にある「発表資料」へのリンクでご確認下さい。


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