「大企業の5割近くが,2001年のネットワーク関連予算を増額している。予算が『50万ドル以上』の企業では,その半数近くが前年比11%増またはそれ以上の予算を組んでいる」。IT関連雑誌などを発行する米International Data Group(IDG)の一部門Network Worldが米国時間1月29日に調査結果を発表した。
調査は,企業でIT関連の購買/調達や予算に関する権限を持つ400人を対象に実施,2001年における設備投資,人件費,アウトソーシング/サービスの予算について回答を得たもの。
「11%以上の増額」と回答した企業の約1/4が「25%以上の増額」だった。また大企業だけでなく,中規模企業でも「ネットワーク関連予算は11%増またはそれ以上」との回答が全体の40%にのぼった。
「企業のネットワーク関連予算増額は,米Cisco Systemsや米EMC,米IBM,カナダのNortel Networksなどにとって朗報だ。ドットコム企業の衰退など経済失速の局面があるにせよ,社内ネットワークやWWWサイトの構築/保守などネットワーク関連の需要は依然として大きい」(Network World社のITジャーナリスト,Neal Weinberg氏)。
このほかの調査結果については以下の通り。
・ネットワーク関連予算全体のカテゴリ別内訳は,設備投資が47%,IT関連部門人件費が34%,アウトソーシング/サービスが19%
・大企業の71%が2001年に「大規模なネットワーク関連プロジェクトを実行する」,もしくは,「すでに実行中」である。
・回答者全体の43%が「IT関連スタッフを拡充する」計画である。
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