米Intelは米国時間1月29日に,次世代サーバI/O「InfiniBand」に対応したLSIのサンプル出荷を始めることを明らかにした。

 Intel社は2000年8月にInfiniBand製品の開発計画を正式に明らかにしいた(「IntelがInfiniBand対応LSIの概要を明らかに」参照)。今回は,そのLSIおよびソフトウエア製品のサンプル出荷を始めるというもの。

 米Compaq Computerや,米IBMなどのサーバOEM,米QLogicや米Crossroads Systemsといったスイッチ・ベンダ,米AdaptecやLSI Storage Systems社などのストレージ装置ベンダなどに向ける。

 これらLSIは将来版IA-32やItaniumプロセサを搭載したサーバーへの搭載をねらう。InfiniBandに対応したシステムが市場に登場するのは今年末になる見込み。

 サンプル出荷を始めた製品は三つから成る。

・「Intel InfiniBand Host Channel Adapter」:サーバをInfiniBandに対応させるホスト・チャネル・アダプタ向けLSI。

・「Intel InfiniBand Switch」:サーバとストレージ装置やネットワーク装置をInfiniBandベースで接続するスイッチ向けLSI。

・「Intel InfiniBand Target Channel Adapter」:ストレージ装置やネットワーク装置などの周辺機器間をInfiniBandで接続するターゲット・チャネル・アダプタ向けLSI。

 InfiniBandは,次世代サーバ向けの入出力インタフェース。Gigabit Ethernetやディスク装置,サーバ間接続などに用いるシリアル通信ネットワークで,PCIバスの遅さを解消する。InfiniBandは,Intel社が主体となって開発していた「Next Generation I/O(NGIO)」と,米IBMや米Compaq Computer,米Hewlett-Packard(HP)が主導した「FutureI/O(FIO)」を統合したI/Oアーキテクチャである。1999年8月の統合当初は「System I/O」と呼ばれていた。

 技術的にはスイッチド・ファブリックをベースとする。リンク1組(1組は単方向の伝送路2本で構成),4組,12組の仕様がある。リンク1組で2.5Gbps,4組で10Gbps,12組で30Gbpsとなる。各リンクには銅線あるいは光ファイバを使う。銅線の場合,延長距離は17m。光ファイバだと最長10kmまで延ばせる。

 InfiniBandを使ったシステムは,複数のサブネットで構成する。サブネット間はルータ・ブリッジで結ぶ。一つのサブネットは最大6万4000個のノードから成る。

 また1999年にInfiniBand Trade Association(IBTA)を設立している。創設メンバはIntel社のほか米Dell Computer,米Microsoft,米Sun Microsystemsなど。現在の参加企業は200社以上にのぼる。

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