(2001.1.26,TechWeb News
 米EMCは,ストレージ市場で同社への攻勢が強まるなかで,競合他社を引き離してシェアを拡大した。米IDCが米国時間1月26日に発表した調査である。
 IDCによれば,2000年におけるEMC社の売上高はストレージ市場全体の26.1%を占めた。前年の24.4%から拡大した。一方,米Hewlett-Packard(HP),米IBM,米Sun Microsystemsといった競合各社は99年よりもシェアを減らした。
 EMC社の成長は特にSAN(storage area network)市場で著しく,シェアは1999年の18.8%から2000年には30.9%に急増した。
 一方,Sun社のSAN市場における2000年のシェアは13.6%だった。99年は26.3%のシェアを獲得していた。EMC社の主な競合メーカーのなかで1999年よりもシェアを伸ばしたのはIBM社だけだった。IDCの調査によれば,IBM社のシェアは1999年の2.6%から昨年は8.9%に拡大した。
 IDCの調査発表に先駆けて,EMC社は第4四半期の決算を発表した。景気減速の影響を受けている多くのハイテク企業とは対照的に,EMC社の業績は市場予測のレベルに達し,今後1年の明るい見通しを約束した。
 市場関係者は,この見通しが十分に達成可能だとみる。
 米Evaluator GroupアナリストのJack Scott氏は,EMC社は2001年の120億ドルという売り上げ目標を達成できるだけでなく,この数字を上回る可能性もあるとみる。
 米Yankee GroupアナリストのWilliam Hurley氏は,「製品とカスタマ・サービスの向上といった市場に対するEMC社の取り組みが,IDCの調査結果に反映されている」と語る。同社が提携関係の構築や企業買収で,正しい選択をしてきたとも指摘する。
 「EMC社は,理にかなった買収を行った。米SOFTWORKSと米CrosStor Softwareの買収はその好例だ」(同氏)。
 EMC社スポークスマンのMark Fredrickson氏は,製品ラインに「CLARiiON」を加えたことが業界での優勢維持につながったとし,「EMC社は研究開発への投資を続け,特にソフトウェアにおける製品の優位性をさらに高めていく」と述べた。
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