世界最大のパソコン・メーカーである米Compaq Computerが米国時間1月23日に,2000年第4四半期と通年の決算を発表した。2000年第4四半期の売上高は115億ドルで前年同期に比べ9.7%増,為替差損を含まなかった場合は19%増である。同四半期は6億7200万ドルの純損失を計上した。1株当たり純損失は39セントである。

 これには18億ドルの特別経費が含まれている。これを除いた場合の実質純利益は5億1500万ドル,1株当たり実質利益は30セントとなった。

 粗利率は23.7%で前年同期に比べ1.5ポイント上昇した。営業費用は20億ドルで前年同期より1ポイント減少している。

 なおCompaq社は2000年12月に同四半期の業績見通しの下方修正を発表しており,このとき,売上高が当初の予測を8~10%下回り112億ドルから114億ドルとなるとしていたが,実際にはこれを上回った。また1株当たり実質純利益は,予測を8セント下回る28セントから30セント程度になるという見通しを明らかにしていた。

 Compaq社の会長兼CEOであるMichael Capellas氏はこれについて原因を,「米国の消費者市場,中小企業市場,新興企業市場などでの需要がいまひとつの状態」としていたが,今回の発表では「企業向け事業,米国外の業績向上,サービス事業の堅調な伸びなどが,北米のパソコン市場の低迷を補った」などと説明している。

 サーバー製品,ストレージ製品が前年同期に比べ20%伸びており,とりわけハイエンド機は全般にわたり好調だったという。

 売上高の前年同期比を地域別でみると,北米が10%増。中南米は24%増,アジア太平洋地域は26%増,日本は36%増。中国は16%増。欧州,中東,アフリカを合わせた地域は3%増だが,為替差損を含まなかった場合は22%増となる。

 2000年通年の業績では,売上高が424億ドルで前年同期に比べ10%増,為替差損を含まなかった場合は15%増。純利益は5億6900万ドル,1株当たり純利益は0.33ドルで前年に比べ横這いとなる。特別経費を含まない場合の実質純利益は17億ドルで前年に比べ3倍以上となる。

 なお2001年の業績について,Capellas氏は先の発表の通り強気な見通しを示している。「2001年通年の1株当たり利益は,20%~25%増を見込んでおり,アナリスト予想に十分に応えられる」(同氏)。

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