米IBMは米国時間1月22日に,システム管理ソフトウエア「IBM Director」を発表した。「Software Rejuvenation」と呼ぶ自己回復プログラムを備え,ソフトウエアに関する障害が起こる前に,それを予想/回復することでサーバーのダウンタイムの短縮を図る。
「PCサーバーでは多くの場合,ソフトウエアのエージング(経年変化)が原因でシステムはその障害率を増していく。プログラミングの小さなエラーが積み重なり,またソフトウエアがコンピュータのリソースを食ってしまうことで,結果的にサーバーのダウンタイム増大につながってしまう」(IBM社)という。
Software Rejuvenationはその名(rejuvenationは「若返り」を意味する)の示す通り,ソフトウエアのこれら問題を予測し,システムがソフトウエアを初期状態にリセットする時期を自動的に予定できるようにする。こうすることで,ソフトウエアのエージングをくい止め,サーバーのダウンを未然に防ぐという。
Software Rejuvenationは,米IBM Researchが開発を行ったもの。IBM Directorの他のプログラムと連携して動作し,サーバーや通信環境においてコンピュータの信頼性を向上させるという。
なお,米GartnerGroupの調べによれば,サーバー障害の40%までがソフトウエアによって引き起こされ,PCサーバーの環境においてはソフトウエアの異常によるサーバーのダウンタイムはハードウエア関連の障害よりもはるかに多い(2倍以上)という。またStandish Group社の調査によると,サーバー障害によるダウンタイムがもたらす損害額は1分あたり2万7000ドルになるという。
IBM Directorは,一つの端末から複数のサーバーおよびワークステーションを制御することが可能である。クリックやドラッグ&ドロップといったアイコン・ベースのユーザー・インタフェースにより,データの管理/保存が一カ所で集中して行える。また,インターネットを介してサーバー・ネットワークに接続できる。無線サーバ管理ソリューションも提供する。
IBM Director,はスタンドアロンで利用できるほか,既存の企業向け管理環境に組み込んで利用することも可能。Red Hat Linux,Windows 2000,Windows ME,Windows NT,Windows 95,Windows 98,Netware,SCO Unixware,OS/2といったOSに対応する。
またIBM Directorは,「Life Cycle Tools(LCT)」と呼ぶプラグインが特徴となっている。コスト削減が図れるなどのメリットがある。Life Cycle Toolsには,以下のものがある。
・Advanced Systems Management
・Capacity Manager
・Cluster Systems Management
・Fibre Channel RAID Manager
・RAID Manager
・System Availability
・Rack Manager
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