「マイクロプロセサの技術で2001年の注目株は,動作周波数2GHzの壁を突破する半導体を実現する製造技術など」。米Cahners MicroDesign Resources(MDR)のアナリストらが2001年のトレンドを予測した。

 それによると2001年に注目すべき技術には,ケンブリッジ大学で研究された“spray-on”トランジスタ技術などがある。これは5μmのポリマー・トランジスタをさまざまな表面に印刷する技術である。このほか,カリフォルニア大学アーバイン校が研究している15nmのモリブデン配線を可能にする技術などがあるという。

 部門別の予測は以下の通り。

1. パソコン向けプロセサ
 米IntelのPentium 4が2001年を通して最速の地位を維持する。第4四半期に登場する予定の0.13μmのPentium 4(開発コード名:Northwood)は,性能バランスが課題となる。

2. モバイル・パソコン用プロセサ
 動作周波数1GHzのプロセサを最初に投入するのはIntel社。同社は今年末に出荷を予定する0.13μmルールのPentium III(開発コード:Tualatin)によって業界のトップを維持する。

3. ワークステーションおよびサーバ用プロセサ
 より拡張性の高いものになる。テキストからコンテンツ配信といった広範な用途に対応し,セキュリティの高いコンテンツ配信を可能にする。

4. ネットワーク・プロセサ
 マイクロプロセサ業界でもっとも急速に成長している部門。しかしネットワーク機器メーカは2,3年後に照準を合わせており,2001年は振るわない。また2001年には買収や市場からの脱落などで業界が揺れる。

5. メディア・プロセサ
 急成長しているデジタルTVが鍵。またデジタル・メディア処理性能の向上が,デジタル・ビデオ・デッキ,テレビ会議/ステレオ・システム,携帯型マルチメディア機器などの家電製品でみられるようになる。

6. 高集積プロセサ
 2001年は高集積プロセサの需要が高まる。古いアーキテクチャは廃れ,動作周波数が高く消費電力が低いチップへの需要が高まる。ブームとなっている情報端末向けに,軽量なハードウエアやソフトウエアが重要になる。

7. DSP,3G(第3世代)無線機器用プロセサ
 DSPと3G無線機器用プロセサはホットな分野となる。より速い動作周波数を競って競争が続く。

8. 組み込みプロセサ
 より速い動作周波数と低消費電力を求める傾向が続く。組み込みプロセサのメーカーの多くは0.13μmルールに移行する。ハイエンドのアプリケーション向けに,より多くのプロセサ・コアを内蔵したチップが登場する。無線市場ではJavaの役割が大きくなる。

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