米Lucent Technologiesと米Time Warner Telecom(TW Telecom)が米国時間1月17日に,光通信システムに関し契約を結んだことを明らかにした。Lucent社が伝送速度1.6Tビット/秒の高速大容量光通信システム「WaveStar OLS 1.6T」をTW Telecom社に提供し,TW Telecom社がこれを利用した光通信ネットワークを構築する。

 契約期間は3年間で金額は1億ドル。ネットワークの構築完了は2001年半ばを予定している。

 「WaveStar OLS 1.6T」は,2000年4月に提供を始めた「WaveStar OLS 800G」のアップグレード版となる新製品。複数の波長を同一のファイバで転送するDWDM (Dense Wave Division Multiplexing)方式のデータ伝送システムである。「WaveStar OLS 1.6T」を用いたネットワークの構築は,TW Telecom社が初めてになるという。

 「WaveStar OLS 1.6Tは,米国とカナダの全国民(約3億2000万人)が全員同時に同じネットワークで1ページ程度の電子メールを送信できるほどの容量をもつ」(両社)。

 まずは,1波当たりの伝送速度が800Gビット/秒の光信号を用いる。この伝送速度の場合,1本の光ファイバで1秒間につき160枚分のCD-ROMのデータを伝送できるという。コンバイナ/スプリッタ装置を用いてネットワークの通信容量を2倍に引き上げれば,1.6Tビット/秒でのデータ伝送が可能になる。

 Lucent社のWorldwide Services部門が,TW Telecom社のネットワークに「WaveStar OLS 1.6T」を組み込む構築作業を担当,すでに作業に着手している。

 対象地域は,主に西海岸地域で,ロサンゼルス,サンフランシスコ,オークランド(カリフォルニア州),ポートランド(オレゴン州),シアトル,ボイス(アイダホ州),ラスベガス,フェニックス(アリゾナ州)の8都市。この8都市は,TW Telecom社が,米GST Telecommunicaitonsを買収してネットワークのインフラを得たもの。買収金額は約6億9000万ドル。Time Warner Telecom社は,2001年1月10日に買収手続きが完了したことを発表している。

 なおLucent社は,このほかのネットワーク事業者などに向けた「WaveStar OLS 1.6T」の提供を2001年春に始める予定。

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[発表資料]