インターネットを介した書籍販売などを手掛ける米Barnes & Noble.comは米国時間1月4日に,電子ブック部門「Barnes & Noble Digital」を立ち上げたことを明らかにした。Barnes & Noble.com社は,米国の大手書店Barnes & Noble傘下のドットコム企業である。

 Barnes & Noble Digitalは,電子ブックの普及促進と作家の支援を目的として設立された。紙で出版されている書籍の電子ブック化だけではなく,新作の出版も進める予定である。

 米国の調査会社IDC(International Data Corp.)によると,2000年の消費者向け電子ブックの米国市場規模は900万ドル。これが2004年には4億1400万ドル規模にまで拡大するという。「書籍出版は今後デジタル化が進む最大の分野。すでに多数の大手企業が電子出版を手がけている」(IDC,eMediaプログラム上級アナリストのMalcolm Maclachlan氏)としている。

 Barnes & Noble Digitalは,電子ブックを出版する作家に対して,編集作業だけではなく広報,販促といった支援活動を行う。プロモーションは,Barnes & Noble.comの電子ブック・サイト「eBookStore」,40万のメンバを抱えるBarnes & Noble.comのアフィリエート・サイト,他の電子ブック小売店を対象にする。

 その他の事業内容は以下の通り。

■Barnes & Noble.comとそのアフィリエート・メンバが販売した電子ブックに関しては,作者に対して小売り価格の35%を使用料(ロイヤルティ)として支払う。

■出版エージェントは,Barnes & Noble.comのサイトで電子ブックの売り上げ状況をモニタすることができる。

■既存の電子ブック・フォーマットだけではなく,今後開発される新たなフォーマットにも対応する。

■基本的に電子ブックの価格は5.95ドル~7.95ドルと,紙バージョンよりも安く設定する。

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